ガソリン火災は、その危険性と適切な対処法を理解することが非常に重要です。特に、水を使った消火は誤った対処法であり、火災をさらに拡大させる可能性があります。本記事では、水とガソリンの比重の違いに触れながら、ガソリン火災に水をかけるとどうなるのか、また正しい消火方法を詳しく解説します。
水とガソリンの比重の違いとは?
比重とは、物質の密度(質量/体積)を基準物質(水)と比較したものを指します。
• 水の比重:1.0
水は基準物質とされ、比重が1.0です。
• ガソリンの比重:0.7~0.8
ガソリンは水より軽いため、比重が1.0未満です。
水とガソリンの性質
• 水とガソリンは混ざらない
ガソリンは油分を含んでいるため水と混ざりません。さらに、比重の違いによってガソリンは水の上に浮く特性があります。
• 水をかけるとどうなるか?
燃えているガソリンに水をかけると、ガソリンが水面に広がり、火の勢いが強くなる可能性があります。

ガソリン火災に水をかけるとどうなる?
ガソリン火災に水をかけることは、状況をさらに悪化させる危険性があります。その具体的なメカニズムを以下に説明します。
1. ガソリンが水の上に浮き広がる
水より軽いガソリンは、燃焼中でも水面に浮きます。水をかけると、ガソリンが周囲に広がり、結果として火災の範囲が拡大します。
2. 高温で水が蒸発し、火勢を助長する
ガソリン火災の熱によって水は瞬時に蒸発します。この蒸気が燃え盛るガソリンを飛散させ、火が広範囲に拡大する恐れがあります。
3. ガソリンの性質により火災が鎮火しない
ガソリンは揮発性が高いため、酸素と容易に結びつきます。このため、水をかけても酸素供給が止まらず、火を消すことができません。

ガソリン火災の正しい消火方法
ガソリン火災に適切に対処するためには、以下の方法を用いることが推奨されます。
1. 粉末消火器や泡消火器を使用する
• 粉末消火器(ABC型)
粉末が火元を覆い、酸素供給を遮断することで燃焼を抑えます。
• 泡消火器
泡がガソリンの表面を覆い、燃焼を防ぐ効果があります。
2. 消火用砂の利用
消火用の砂を使い、ガソリンを物理的に覆って酸素を遮断します。この方法は、消火器が手元にない場合にも有効です。

ガソリン火災で絶対に避けるべき行動
1. 水をかける
• 水によってガソリンが拡散し、火災が悪化します。
2. 近づきすぎる
• 爆発や熱傷のリスクが高いため、適切な距離を保つことが重要です。
3. 換気の悪い場所で火を消そうとする
• ガソリンの蒸気が充満し、引火や爆発を起こす可能性があります。
まとめ:ガソリン火災に対処するためのポイント
ガソリンの比重や特性を理解することで、適切な対応が可能になります。
• 水を使った消火は避けること
比重の違いによってガソリンが広がり、火災が拡大します。
• 粉末消火器や泡消火器を使う
専用の消火器を使用することで、効率的かつ安全に火を抑えることができます。
正しい知識を身につけ、いざというときに適切な行動が取れるよう備えておきましょう。