ノルウェージャンリービングハイラインについて

ロープレスキュー

ノルウェージャンリービングハイラインは、渓谷や急斜面などの特殊な地形で担架や作業員を安全に移動させるためのロープシステムです。このシステムは、効率的で安全な搬送を実現し、救助作業をスムーズに行うために設計されています。今回は、このシステムの構成や使い方について詳しく説明します。

ノルウェージャンリービングハイラインの構成

トラックライン

トラックラインは、担架や作業員を移動させるためのメインのロープです。システムには以下のような工夫が施されています。

• テンションシステム

一方の端には「4対1」や「5対1」の引き上げシステムを設置し、ロープの張力を調整します。

• 強度の最大化

反対側には「クートニーウルトラ」を使用し、ロープに結び目を作らずにその強度を100%活用します。

キャリッジ

担架や荷物をサポートするためのプーリーシステムです。以下の部品を使用して安全性を確保します。

• クートニーウルトラ

担架をスムーズに移動させるためのプーリーです。

• スラックジャンパーとプルージック

衝撃吸収材として機能し、担架の揺れを軽減します。

タグライン

キャリッジの安定性を保つために使用される補助ロープです。両端に設置したMPD(マルチパーパスデバイス)を使って、テンションや緩みを調整します。

リーヴライン(赤いライン)

担架を引き上げたり下ろしたりするためのロープです。このラインは以下のように制御されます。

• プルージックマイニングプーリー

ロープを滑らかに動かしつつ進行を制御します。

• 進行止めプルージック

引き上げ時にロープを固定して安全性を高めます。

アズテックシステム

救助作業を効率化するために使用するツールです。

• 担架の角度調整

担架の水平や傾斜を簡単に調整できます。

• 作業員の位置調整

担架の近くで作業する救助者が、最適な位置を確保するために使用します。

ノルウェージャンリービングハイラインの使い方

担架を下ろす場合

リーヴラインを操作し、プルージックを使ってロープを滑らせながら担架を慎重に下ろします。作業者は担架が安定するよう、タグラインを調整します。

担架を引き上げる場合

• 引き上げシステムの活用

「3対1」または「5対1」の機械的優位を活用し、引き上げの負担を軽減します。

• タグラインの調整

キャリッジを安定させるため、左右のテンションをバランスよく調整します。

担架を移動させる場合

引き上げた担架をトラックライン沿いに移動させるには、トラックラインとリーヴラインを同時に操作します。これにより、担架がスムーズに移動します。

ノルウェージャンリービングハイラインを使う際の注意点

• 装備の正確な使用

各デバイスを正しく使用しないと、システムの安全性が損なわれる可能性があります。

• チームでの連携

複数人で役割を分担し、緊密な連携を取ることで作業効率が向上します。

• 事前の確認

システムを使用する前に、すべての装備が適切に設置されているか確認することが重要です。

ノルウェージャンリービングハイラインのメリット

• 高い安全性を提供

作業者と担架を確実に安定させ、安全に移動できます。

• 作業効率の向上

機械的優位を活用することで、少人数でも大きな効果を得られます。

• 柔軟性の高い設計

多様な地形や状況に対応できる構成です。

ノルウェージャンリービングハイラインは、救助活動において非常に有効なツールです。正しい知識と手順を守ることで、安全かつ効率的に作業を進めることが可能です。

参考動画

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