放射線は、高エネルギーを持つ粒子や電磁波が物質を通過する現象です。X線やガンマ線などは医療で使われますが、過度の被ばくは人体に有害です。そのため、安全に使うための防護が重要です。
放射線量の一覧を以下に示します。各項目は日常的な放射線量の例や、特定の状況での放射線量を含みます。単位は一般的にマイクロシーベルト(μSv)やミリシーベルト(mSv)で表されます。
- 地球からの自然放射線(年間): 地球からの自然放射線は年間で約2,000マイクロシーベルト(2ミリシーベルト)に相当します。
- 胸部X線撮影(1回): 胸部のX線撮影では、1回あたり約50マイクロシーベルトの放射線を受けます。
- 東京—ニューヨーク間の飛行(往復): 東京からニューヨークまでの往復飛行では、約100〜200マイクロシーベルトの放射線にさらされます。
- 腰椎X線撮影(1回): 腰椎のX線撮影では、1回あたり約1,000マイクロシーベルト(1ミリシーベルト)の放射線を受けます。
- CTスキャン(腹部)(1回): 腹部のCTスキャン1回で受ける放射線量は約10,000マイクロシーベルト(10ミリシーベルト)です。
- 自然放射線(1日): 自然から受ける1日あたりの放射線量は約5〜10マイクロシーベルトです。
- 歯のX線撮影(1回): 歯のX線撮影1回で受ける放射線量は約5マイクロシーベルトです。
- バナナ1本(自然に含まれる放射線): バナナ1本に含まれる自然放射線は約0.1マイクロシーベルトです。
- 原子力発電所周辺(通常運転時、年間): 通常運転時の原子力発電所周辺では、年間1マイクロシーベルト以下の放射線が検出されます。
- 飛行機内(1時間あたり): 飛行機内にいると、1時間あたり約3〜10マイクロシーベルトの放射線にさらされます。
- PETスキャン(1回): PETスキャン1回で受ける放射線量は約20,000マイクロシーベルト(20ミリシーベルト)です。
- 原発事故後、福島第一原発周辺(事故後初期の時間): 福島第一原発事故直後の周辺地域では、数十から数百ミリシーベルトという非常に高い放射線量が観測されました。
- 自然界からのラドン吸入(年間): 自然界からのラドン吸入により、年間で約1,000〜2,000マイクロシーベルト(1〜2ミリシーベルト)の放射線を受けます。
このように、日常生活や医療検査などで接する放射線の量はさまざまです。
人体に影響を与える放射線量についての一覧表を作成しました。
以下の表は、人体に影響が現れる目安と、それに伴う影響を示しています。
- 0〜10 mSv: ほぼ無害で、日常生活における自然放射線や医療被ばくの範囲に相当します。健康への影響はほとんど心配ありません。
- 10〜50 mSv: DNAへの軽微な損傷が起こる可能性はありますが、短期的には人体に対する明確な影響はありません。この範囲ではがんのリスク増加はあまり見られません。
- 50〜100 mSv: がんのリスクがわずかに増加する可能性があります。長期間にわたってこのレベルにさらされると、影響が出る可能性がありますが、短期的な影響は少ないです。
- 100〜250 mSv: 体内の細胞修復が追いつかなくなり、がんリスクが増加する可能性があります。このレベルを超えると、長期的な健康リスクが顕著になることが予想されます。
- 250〜500 mSv: 軽度の放射線障害が発生することがあります。症状としては倦怠感や吐き気があり、しかしそれらは一時的なもので、通常は回復します。
- 500〜1,000 mSv(1 Sv): 明確な放射線障害が発生します。症状としては吐き気、疲労、白血球減少などが数時間後に現れます。回復には時間がかかる場合があります。
- 1,000〜2,000 mSv(1〜2 Sv): 急性放射線症候群が発生する可能性が高くなります。脱毛、嘔吐、免疫力の低下などの症状が現れ、健康に深刻な影響を及ぼします。
- 2,000〜5,000 mSv(2〜5 Sv): 消化管や皮膚の損傷、出血など高度な放射線障害が発生し、死亡のリスクが高まります。このレベルの被ばくでは生命が危険にさらされる可能性が非常に高くなります。
- 5,000〜10,000 mSv(5〜10 Sv): 50%以上の確率で死亡する可能性があります。重大な臓器障害や血液系障害が起こり、死亡までの時間は数週間以内とされています。
- 10,000 mSv(10 Sv)以上: 短期間での死亡が確実です。多臓器不全が発生し、数日から数週間以内に不可逆的な損傷が致命的となります。
このように、放射線量が増えるにつれて、人体に与える影響は深刻化し、致命的なものになることがわかります。