car on car(車の乗り上げ)

交通救助

車の乗り上げ事故時の車両安定化と救出手順

車の乗り上げ事故が発生した際には、迅速かつ確実な対応が求められます。このような状況では、車両の安定性を確保し、安全に救出作業を行うことが最も重要です。今回は、基礎的なルールを紹介しつつ、具体的な手順を詳しく説明します。

車両安定化の基本ルール

まず最初に確認すべきことは、上部の車両にリフトが必要かどうかです。リフトが必要な場合、その車両を他の車両に固定することはできません。両方の車両が独立して安定していることを確認する必要があります。これにより、車両の動きが制御され、救出作業が安全に進行します。

リフトが不要な場合は、地面に最も安定している車両から安定化を始めます。この場合、例えば白いミニバンが対象となります。

一次安定化の手順

一次安定化は、車両が地面にしっかりと固定されることを目的としています。まず、クリブやステップチョークを使用して四点接触を作り、白い車両が地面に固定されていることを確認します。次に、白い車両の動く可能性がある部分、特に前輪サスペンションが負荷を受けている部分を圧縮します。これにより、車両が動かなくなります。



安定化が完了したら、次は上部の車両に移ります。上部の車両は、前方および横方向へのシフトを防ぐ必要があります。前方のシフトは、車両のバンパーの下にウェッジを挿入することで確保できます。これまでが一次安定化の手順です。

二次安定化の手順

二次安定化には、上部車両を安定した下部の車両に結着し固定することが含まれます。具体的には、車両のホイールをもう一方の車両のホイールにラチェットストラップやテンショニング要素を使って固定します。これにより、上部車両に何らかの動きがあっても、下部車両が支えます。ただし、ホイールが回転したり動いたりする前側には取り付けないように注意が必要です。

クロスラッシングの重要性

一部の人はストレートストラップを使用して車両の後部を固定することがありますが、これでは車両の横方向の動きを防ぐことができません。そこで、クロスラッシングを考慮する必要があります。クロスラッシングとは、ラチェットストラップを使用して車両を対角線状に引っ張り、上の車両を下の車両に引き寄せて固定する方法です。これにより、横方向のシフトが防止されます。

救出ポイントの考慮

最後に、救出ポイントの位置を確認することが重要です。どこを切る必要があるのか、どこを取り外す必要があるのかを確認し、選んだアンカーがそのカットゾーンとは独立していることを確認します。例えば、エッジにリグを取り付けた場合、その近くの構造部分で大きな作業を行うと、アンカーが動いて不安定になる可能性があります。そのため、作業の影響を考慮した上でアンカーの位置を決定することが重要です。

まとめ

車の乗り上げ事故時の対応は、地面に接している車両から始め、地面にしっかりと固定することが基本です。その後、サスペンションシステムの動きを抑え、独立した車両を主要な安定した車両に固定します。これにより、救出作業が安全かつ効果的に行われます。車両の安定化と救出手順を確実に理解し、迅速に対応することで、事故現場での安全性を高めることができます。

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