CMC Wingman(ウイングマン)とは?

ロープレスキュー

次世代ミニホールシステムの特徴と現場での強みを徹底解説

ロープレスキューや高所救助の現場では、「小型」「軽量」「高効率」を兼ね備えたミニホールシステムが求められる。

その中で近年注目されているのが、Harken Industrial公式サイト の「Wingman」である。

※実際には Harken 社製であり、CMCでも取り扱われることがあるため「CMC Wingman」と呼ばれることもある。

Wingman は、従来のミニホールキットとは大きく異なる構造を持ち、特に「解除性能」「コンパクト性」「操作性」に優れている。

この記事では、消防・救助現場目線で Wingman の特徴や強みを詳しく解説する。


Wingmanとは?

Wingman は、4:1 または 5:1 として使用できるミニホールシステムである。

主に以下の用途で活用できる。

  • ロープレスキュー
  • タワーレスキュー
  • 高所救助
  • 要救助者の引き上げ
  • 荷重調整
  • ポジショニング
  • システムテンション調整

一般的なミニホールシステムとの最大の違いは、「荷重が掛かった状態でもスムーズに解除できる」ことである。


Wingmanの特徴

① 荷重が掛かったまま解除できる

Wingman 最大の特徴がこれである。

通常のミニホールシステムでは、

  • プルージック解除
  • 歯付きカム解除
  • 再テンション

などが必要になる。

しかし Wingman は、ハンドル操作だけで荷重を解除できる。

これは下降器に近い感覚で使用できるため、

  • 微調整
  • 荷重移動
  • テンションコントロール

が非常にやりやすい。

特に救助現場では、

「少しだけ下げたい」

「テンションを抜きたい」

という場面が多いため、大きなメリットになる。


② 非常にコンパクト

Wingman はブロック同士が密着する構造になっている。

そのため、

  • システム長が短い
  • 頭上空間を有効活用できる
  • 狭所で強い

というメリットがある。

特に塔上救助や都市型救助では、

  • アンカー位置が低い
  • 天井が近い
  • スペースが少ない

という状況が多い。

そのため、この「コンパクト性」はかなり実戦向きである。


③ 専用ロープによる低伸長性能

Wingman には Sterling 製の専用 8mm ロープが採用されている。

特徴は以下の通り。

  • 伸びが少ない
  • 荷重時でもシステムが締まる
  • コンパクト性を維持
  • 操作感が良い

ロープの伸びが大きいと、

  • 引き量が増える
  • 力が逃げる
  • システムがダルくなる

という欠点がある。

Wingman は低伸長ロープを採用することで、効率的なホールを可能にしている。


④ NFPA G規格対応

Wingman は NFPA G レーティングを取得している。

さらに、

  • CE認証
  • UKCA認証

にも対応している。

最低破断強度は 45kN。

高強度システムとして、十分な性能を持っている。


⑤ スイベル構造が優秀

上下にスイベルが付いているため、

  • ロープのねじれ軽減
  • 荷重方向への自動追従
  • システムの安定化

が可能。

特に方向転換が多い現場では非常に扱いやすい。


Wingmanのメリット

操作がとにかく速い

従来のミニホールでは、

  • テンション解除
  • カム解除
  • 再構築

などが必要になる。

しかし Wingman は、

「ハンドルを引くだけ」

で調整可能。

これは現場スピードに直結する。


教育しやすい

構造がシンプルで、

  • 操作感が直感的
  • Clutch に近い
  • 降下器経験者が理解しやすい

という特徴がある。

若手教育にも向いている。


狭所救助で強い

  • 塔上
  • 立坑
  • マンホール
  • 屋内救助

など、頭上スペースが少ない現場では特に強みを発揮する。


Wingmanの注意点

① 高価

最新システムであるため価格は高め。

しかし、

  • 小型化
  • 操作性
  • 安全性

を考えると、十分価値はある。


② 操作訓練は必要

下降操作が可能な分、

  • 急激な解除
  • 荷重コントロールミス

には注意が必要。

特に初期訓練では、

  • 荷重感覚
  • ハンドル操作
  • 制動感覚

を理解する必要がある。


消防救助隊目線で見るWingman

消防救助隊で考えると、Wingman はかなり実戦的である。

特に有効なのは、

  • 要救助者の微調整
  • 高所テンション管理
  • 狭所引き上げ
  • タワーレスキュー
  • ロープアクセス

である。

従来のミニホールより、

「速く・小さく・扱いやすい」

という印象が非常に強い。

今後、ロープレスキュー分野ではかなり普及する可能性がある。


まとめ

Wingman は、従来のミニホールシステムの弱点を改善した次世代システムである。

特に、

  • 荷重解除性能
  • コンパクト性
  • 低伸長ロープ
  • スムーズな下降操作

は大きな強み。

消防・救助・高所作業の現場では、今後かなり注目される存在になるだろう。

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