はじめに
消防活動では、限られた空間や障害物が多い場所で素早くホースを展開する技術が求められます。
特に高層ビルの階段、狭い廊下、障害物が多い場所では、効率的なホース展開が消火活動の成否を左右します。
今回は、「ミニットマンバンドル」をコイルプロップ法で展開する方法を詳しく解説します。
この方法を習得すれば、ホースの展開がスムーズになり、迅速な初期消火が可能になります。
ミニットマンバンドルとコイルプロップ法とは?
ミニットマンバンドルは、ホースをコンパクトにまとめた束(バンドル)で、消防士が肩に担いで移動することができます。
これにより、狭い廊下や階段での移動がスムーズになります。
コイルプロップ法は、ホースの束を円形(コイル)の形に展開する方法です。
この技術を使うことで、ホースが束の上部からスムーズに引き出され、限られたスペースでも素早くホースラインを作ることが可能になります。
コイルプロップ法でミニットマンバンドルを展開する5つの手順
ここからは、具体的な手順をわかりやすく解説します。
1. ホースバンドルを地面に置く
手順
1. ミニットマンバンドルを肩に担いだ状態で目的地まで運びます。
2. バンドルを地面に下ろしますが、バンドルが崩れないよう、可能な限り固定した状態を保ちます。
ポイント
• ホースが地面に落ちた際に乱雑にならないよう注意します。
• きちんと束が保たれていれば、次の工程がスムーズに進みます。
注意点
• バンドルを地面に落とす際にホースが乱れると、次の「コイルの形成」が難しくなります。
2. ストラップを外し、ノズルを膝の近くに配置
手順
1. バンドルの側にひざまずき、必要に応じてストラップを外します。
2. ノズルを手に取り、膝のすぐそばに配置します。
3. 最初のホースループ(1つ目の輪)から、順番にループを1つずつ持ち上げます。
ポイント
• ホースの折り目を持ち上げることで、ホースが絡まらずきれいに整理されます。
• 最後のループまでしっかりと持ち上げることが重要です。
注意点
• すべてのループが揃うまで焦らず作業を進めてください。
• ここでホースが乱れると、次の「コイルの配置」で苦労します。
3. ループを持ち上げ、ホースを分離する
手順
1. すべてのホースループが揃ったら、残りのバンドル(地面に残っているホース)から完全に持ち上げて分離します。
ポイント
• この時点で、すべてのループが同じ高さで揃っていることを確認してください。
• ループがバラバラだと、次の作業が難しくなります。
注意点
• ホースの絡まりを防ぐため、無理な引っ張りをしないように注意します。
• 持ち上げる際は腕全体でしっかりホールドしてください。
4. ホースのコイルを壁または地面に置く
手順
1. まとめたホースを両腕に抱え、壁に腕を押しつけるか、そのまま地面に置く方法があります。
2. コイルを地面に「ポンッ」と置く感覚で、ホースをきれいに配置します。
ポイント
• ノズルが必ず上から出ている状態を確認してください。
• ノズルが下から出ていると、次の加圧の際に絡まる可能性があります。
注意点
• ループが崩れないよう慎重に配置します。
• 壁に押しつけてコイルを作る方法は、狭い場所で非常に有効な方法です。
5. ノズルを固定し、ホースラインを加圧する
手順
1. ノズルを地面に置き、足でしっかり固定します。
2. ホースラインの加圧を指示し、ホース内に水を通します。
3. ノズルの安定を確認し、ホースが上部からスムーズに展開されることをチェックします。
ポイント
• ホースが引き出されるとき、ノズルから上方向にホースが出ていくのが理想的な状態です。
• これにより、ホースが絡まることなく、素早い展開が可能になります。
注意点
• ノズルがしっかりと固定されていないと、加圧時に急な衝撃でノズルが動く可能性があります。
• 踏みつける際にはしっかりとした安定感が求められます。
まとめ
「ミニットマンバンドル」をコイルプロップ法で展開する方法は、高層ビルや障害物の多い環境でのホース展開に最適な技術です。
特に狭い階段や廊下では、ホースがきちんと整理されていないと、展開が遅れ、消火活動の遅延につながります。
今回の方法をおさらいすると、以下の手順になります。
1. ホースバンドルを地面に置く
2. ストラップを外し、ノズルを膝の近くに配置
3. ループを持ち上げ、ホースを分離する
4. ホースのコイルを壁または地面に置く
5. ノズルを固定し、ホースラインを加圧する
この手順を身につければ、どんな現場でも迅速かつ効率的なホース展開が可能になります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 壁を使う方法と地面を使う方法、どちらが良いですか?
A1. 壁を使う方法は、狭い廊下や階段の踊り場で有効です。逆に、広いスペースがあるなら、地面に直接置いたほうがシンプルで素早く展開できます。
Q2. ホースが絡まる原因は?
A2. 主な原因は、ノズルの向きが正しくないことやループの高さがバラバラなことです。
Q3. どのような場面でコイルプロップ法を使いますか?
A3. 高層ビルの階段や狭い通路、障害物が多い現場で使用されます。
この技術は、消防活動の迅速化に貢献する重要なスキルです。
定期的な訓練を行い、いざというときの備えを万全にしておきましょう!
「ミニットマンバンドル」を使うと、ホースの展開がめっちゃスムーズになるんだよ。やり方は簡単で、まずホースを地面に置いて、ストラップ外してノズルを膝の近くにセット。次に、ホースの輪っか(ループ)を1つずつ持ち上げて、残りの束から分ける感じ。その後、壁か地面にコイル状に置いて、ノズルを足でしっかり固定。最後にホースを加圧すればOK!これで狭い階段とか廊下でもサクッと展開できるから、めちゃくちゃ便利だよ。
参考動画
参考ページ:火災現場でのホース延長方法を徹底解説!効率的なホース延長やホース展開とバックアップマンの役割、狭所巻きや島田巻きなどの技術を網羅し、安全で迅速な消火活動をサポートする具体的なテクニックを紹介します!