防火服の除染手順

健康

火災現場では発がん性物質やその他有害物質への暴露が避けられないため、防火服の適切な除染が健康を守るために非常に重要です。以下に、現場で行う防火服の除染手順を詳しく説明します。

1. 除染の準備

• 専用エリアの確保: デコン(除染)エリアを識別するため、コーンなどを設置して周囲から明確に分かるようにします。

• 必要な道具を準備: デコン用バケツ、石鹸、ホース、保護手袋、拭き取り用ウェットワイプ、装備保管用の密閉バッグなどを準備します。

• 技術者のPPE装着: 汚染状況に応じて、技術者(除染を担当する者)は必要に応じて完全な防護具を装着します。

2. 洗浄の手順

1. スプレーで汚染物質を落とす

• 隊員は防火服、SCBA(空気呼吸器)を装着した状態で前屈します。

• ヘルメットの上部からスプレーを開始し、首から下に向けて洗浄を行います。

• 首周りに水が入らないよう注意を払いながら、前後ともに洗浄を行います。

2. 石鹸水で擦り洗い

• 石鹸水(少量の石鹸をバケツの水に溶かす)を使用し、防火服全体とSCBAを擦り洗いします。

• 特に汚染が多い部分(胸部、肩、背中など)は念入りに洗浄します。

3. すすぎ

• 再びスプレーを使用して、石鹸水を完全に洗い流します。

• 防火フードや防火服内側に水が入らないように注意します。

3. PPEの脱衣手順

1. SCBAの取り外し

• 空気供給を維持しつつ、パックを取り外します。

• 手袋は着用したままで操作を行います。

2. ヘルメットとフードの除去

• ヘルメットを外した後、防火フードはコートの内側素材を引っ張り、裏返すようにして取り外します。

3. 防火服の脱衣

• コートとズボンのバックルを外し、内側に触れないよう慎重に脱衣します。

• 手袋を外した後に、コートとズボンを順に脱ぎます。

4. 個人の洗浄

• EMS用ズボンや清潔な服に着替える前に、ウェットワイプで皮膚を拭き取り、付着した汚染物質を取り除きます。

4. 装備の収納

• 密閉バッグに収納

使用後の防火服は、発がん性物質が周囲に拡散しないよう、専用の密閉バッグに収納します。

• ズボン → コート → 手袋 → ヘルメットの順に入れます。

• バッグ内の空気を抜き、余分な素材を折りたたんで密閉します。

• 保管と管理

バッグには隊員の名前を記載し、適切な洗浄処理が行える施設へ運びます。

注意点

• 首回りへの水の侵入を防ぐ: 水がフード内や防火服の内側に入り込むと、汚染物質が皮膚に触れるリスクがあります。

• 二次汚染の防止: 汚染された手袋や装備に触れた手で顔や肌に触れないよう注意してください。

• 洗浄頻度: 火災現場に出動した後は必ず除染を行い、健康リスクを最小限に抑えましょう。

まとめ

防火服の除染は、隊員の健康を守るために欠かせない重要なプロセスです。正確な手順を守り、二次汚染を防ぐことで、長期的な健康被害を予防することができます。

参考動画

参考ページ:消防士の健康と安全を守るための除染ガイド。火災時の有害物質や発がん性物質への暴露リスクを減らし、適切な除染手順で健康を維持する方法をご紹介します。

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