エレベーター閉じ込め救出の詳細手順
エレベーターが突然停止し、中に閉じ込められてしまった場合、乗客がまず行うべきことは、落ち着いて状況を把握し、エレベーター内に設置されている非常用のインターホンやステッカーに記載された緊急連絡先に連絡することです。この連絡により、メンテナンス員が迅速に救助に向かいます。
メーカーのメンテナンス員が救助を行います
1. 現場の到着と初期対応
現場に到着すると、まずエレベーターの外から状況を確認します。エレベーターに小窓がついている場合は、そこから内部を覗き、乗客がどのような状態にあるかを確認します。この時点で、エレベーターがどの階とどの階の間で止まっているのか、乗客が何人いるのか、怪我をしている人がいないかなど、初期の情報収集が行われます。
次に、インターホンが設置されている階に移動します。このインターホンは、エレベーター内と外部をつなぐ通信手段であり、乗客に安心感を与える重要な役割を果たします。インターホンの受話器を取り、乗客に直接連絡を取ります。この時点で、乗客に落ち着いて状況を伝えるとともに、具体的な人数や健康状態を確認します。
2. 機械室への移動と準備作業
乗客の状況を確認し、必要な情報を得た後、エレベーターを安全に動かすために機械室へ向かいます。機械室は、通常、建物の最上階や地下に設置されており、エレベーターの制御装置が収められています。
機械室に到着すると、まずエレベーターの制御装置の状態を確認します。リレー類やスイッチが正常に機能しているか、何かが作動しているか停止しているかを細かくチェックします。ここでの確認作業は、エレベーターが安全に動作するかどうかを判断するための重要なステップです。
3. 事前の通知とエレベーターの操作
エレベーターを操作する前に、再度インターホンを使って乗客に連絡を取ります。この連絡は、乗客にこれからエレベーターを動かすことを知らせ、突然の動きに驚かないようにするためのものです。乗客に安心感を与え、救出までのプロセスを説明することが、この段階での重要な役割です。
その後、エレベーターの主電源を切り、安全を確保します。これにより、誤作動や予期せぬ動きを防ぎます。電源を切った後、エレベーターにかかっているブレーキを手動で解除します。このブレーキ開放作業は、力を要する作業であり、複数のメンテナンス員が協力して行うこともあります。
4. エレベーターの手動操作と乗客の救出
ブレーキが解除されたら、メンテナンス員は人力でエレベーターを目的の乗り場まで動かします。エレベーターをゆっくりと動かし、乗客が安全に降りられる位置まで到達させます。この作業中も、乗客に状況を説明し続けることで、乗客の不安を和らげます。
エレベーターが目的の乗り場まで到達したら、再度ブレーキをかけてエレベーターを固定します。これにより、エレベーターが動かなくなり、安全に乗客を外に出すことができます。迅速にエレベーターのドアを開け、乗客を救出します。
5. 乗客のケアと作業終了
乗客が無事にエレベーターから脱出できたら、すぐに怪我の有無や体調を確認します。必要に応じて応急処置を行い、場合によっては医療機関への連絡を行うこともあります。乗客が安心できるよう、最終的なケアまでしっかりと行います。
最後に、エレベーターが再び安全に動作できるかを確認し、必要に応じて修理や調整を行います。
エレベーターの閉じ込め救出手順に基づいて、救助のチェックリストを作成しました。メンテナンス員が救出作業を実施する際に、各ステップを確実に実行するために使用してください。
エレベーター閉じ込め救助チェックリスト
事前準備
- [ ] 救助に必要な工具や機器を準備
- [ ] 現場までのルートを確認
- [ ] 機械室の位置を把握
1. 現場到着と初期対応
- [ ] 現場に到着し、エレベーターの外から状況を確認
- [ ] エレベーター内の様子を窓から覗いて確認(小窓がある場合)
- [ ] 乗客の人数、位置、健康状態の確認
- [ ] インターホンが設置されている階に移動
- [ ] インターホンを使用して乗客と連絡
- [ ] 乗客に現状の説明と救助予定時間の伝達
2. 機械室への移動と準備作業
- [ ] 機械室へ移動
- [ ] 機械室内の制御装置やリレー類の確認
- [ ] スイッチやセンサーの状態を確認(正常に機能しているか)
- [ ] 故障や異常がないかのチェック
3. 事前の通知とエレベーターの操作
- [ ] 再度インターホンを使用して、乗客にエレベーター操作の通知
- [ ] エレベーターの主電源を切り、電源の確実な停止を確認
- [ ] ブレーキの手動解除準備
- [ ] 必要に応じて、複数のメンテナンス員でブレーキ開放作業を実施
4. エレベーターの手動操作と乗客の救出
- [ ] エレベーターを手動で乗り場まで動かす
- [ ] エレベーターの動作中もインターホンで乗客に状況を説明
- [ ] 目的の乗り場に到達後、ブレーキを再度かけて固定
- [ ] エレベーターのドアを開け、乗客を安全に外に誘導
5. 乗客のケアと作業終了
- [ ] 乗客の怪我や体調を確認
- [ ] 必要に応じて応急処置や医療機関への連絡
- [ ] 乗客に対して安全に脱出できたことを確認
- [ ] エレベーターの動作確認と必要な修理・調整を実施
- [ ] 全ての作業完了後、現場を整理し、安全を確認して撤収
このチェックリストは、メンテナンス員がエレベーター救出作業を行う際に、手順を確実に遂行するためのガイドラインとして使用できます。各ステップを確実にチェックすることで、迅速かつ安全な救出作業が可能になります。
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