フットウェル閉じ込め救助の手順や必要なツール、注意点を解説。消防士やレスキュー隊員が現場で役立つ具体的な知識を提供します。最新の車両構造やEVのリスクにも対応する方法を詳しく解説!
はじめに:「フットウェル閉じ込め救助」とは?
近年、自動車の構造が進化し、強度が増した一方で、事故時の「フットウェル閉じ込め」が増加しています。
フットウェル閉じ込めとは、車両のフロアとファイアウォール(前方の壁)の間に、乗員の足が挟まれてしまう状態を指します。特にペダル周辺に足が挟まるケースが多く、下肢の損傷や救出作業の難易度が上がる原因となります。
このガイドでは、フットウェル救助の具体的な手順、必要なツール、注意すべきポイントを解説します。消防士やレスキュー隊員が現場で役立つ知識を提供しますので、最後までご覧ください。
1. フットウェル閉じ込め救助の手順
STEP 1:初期評価と安全確保
• 車両の安定化:クリブやくさびを使い、車両が動かないように固定します。
• 患者の状態確認:乗員の負傷状況を把握し、緊急医療が必要かどうかを判断します。
• 安全エリアの確保:工具を使用する際に、患者とチームの安全が保たれるように防護材を配置します。
STEP 2:Bピラーの除去
• Bピラーのカット:車両側面の支柱(Bピラー)をカットし、乗員へのアクセスを確保します。
• 車両側面の取り外し:カットしたピラーを外し、乗員への視認性と作業スペースを広げます。
STEP 3:クラッシャブルゾーンの切断
• フェンダーの除去:車の前輪部分のフェンダーを取り外します。
• クラッシャブルゾーンの露出:車両の**衝撃吸収部分(クラッシャブルゾーン)**を露出させ、深い切り込みを入れます。
STEP 4:Aピラーのリリーフカット
• Aピラーの一部をカット:Aピラーの上部を約15cmほどカットすることで、車体のねじれを緩和します。
• ヒンジ機能の作成:Aピラーのリリーフカットにより、車体の動きをコントロールしやすくなります。
STEP 5:ダッシュのリフトと開放
• スプレッダーの設置:**スプレッダー(油圧式拡張工具)**をクラッシャブルゾーンにセットします。
• ダッシュの持ち上げ:ダッシュボードを持ち上げて、患者の足を自由にするスペースを確保します。
STEP 6:患者の解放と搬送
• ロングボードの挿入:乗員の身体の下にロングボード(ストレッチャーボード)を挿入します。
• 慎重な搬送:患者の足や下肢の状態に注意を払いながら、車両外に搬送します。
2. フットウェル救助で使用するツールと装備
• パワーハイドロリックレスキューツール(カッター、スプレッダー)
→ 車両の切断や拡張作業に必須の機器です。
• リリーフカッター(ポータブル切断機)
→ Aピラーの一部を切り取る際に使用します。
• フェンダープライヤー
→ フェンダーを取り外すためのツールです。
• 保護シートや保護カバー
→ 工具が患者に接触しないよう、防護材を設置します。
• 救命装備(グローブ、アイプロテクション、ヘルメット)
→ 作業中の安全を守るため、必ず装着してください。
• ロングボード(ストレッチャーボード)
→ 救出後、患者を車両外に運ぶための装備です。
3. 注意点とリスク管理
• 患者保護の重要性
→ 工具と患者の距離が近いため、適切な防護材の配置が必須です。
→ 工具の誤作動により、患者に二次的な損傷が発生するリスクがあるため、作業は慎重に行います。
• 作業者の安全対策
→ 破片が飛散する可能性があるため、ゴーグルやヘルメットを装着してください。
→ スプレッダーの圧力が不安定になると、予期しない動きが発生する可能性があります。
• 車両の予期せぬ動き
→ 車両が動かないよう、しっかりと安定化する必要があります。
→ 特に横転した車両では、チーム全体で慎重に作業を進める必要があります。
4. 新世代車両の変化に対応するためのアドバイス
強化素材の増加
• 新型車両は、高張力鋼やアルミニウム複合材が使用されています。
• 従来のツールでは切断できない場合があるため、強力な切断ツールが求められます。
電動車両(EV)のリスク
• 電動車両は高電圧ケーブルが走行しているため、感電のリスクが発生します。
• 事前に電源を遮断し、作業を行う必要があります。
車両のクラッシュゾーンの進化
• クラッシュゾーンは、より高度な衝撃吸収機能を備えていますが、これにより救助作業が難しくなることがあります。
• 事前にメーカーの資料を定期的に更新し、車両の構造に関する知識を深めておきましょう。
フットウェル救助では、患者を守るのが最優先!工具が当たらないよう防護材を使って慎重に作業しよう。自分の安全も大事だから、ゴーグルやヘルメットを忘れずにね。車が動かないようしっかり固定して、EVの場合は感電防止のため電源を切るのを忘れずに。最近の車は頑丈だから、強力なツールや最新知識が必要になることもあるよ!
5. まとめ
フットウェル閉じ込め救助は、消防士やレスキュー隊員が直面する最も困難なシナリオの一つです。特に、新世代の車両は強化素材や電動システムを搭載しているため、ツールの選択や作業の順序がこれまで以上に重要になります。
救助の際のポイント
• 患者の安全を最優先し、保護材の配置を忘れない。
• 最新の車両構造を理解し、メーカーのマニュアルを定期的に確認する。
• ダッシュのリフト、Aピラーのリリーフカット、クラッシャブルゾーンの切断など、適切な手順を実施する。
この記事が、現場での作業効率を高め、消防士の皆さんの安全確保に貢献できることを願っています。安全第一で作業してください!
あなたの使命は、命を救うことです。