消防活動においてはしご車は、迅速かつ効率的に被災者を救助できる重要な装置です。この記事では、はしご車を使用した救助活動の具体的な手順と注意点について詳しく解説します。
はしご車を使用した救助の基本手順と注意点
はしご車を使った救助活動では、車両の配置や接近方法が安全性と効率性に直結します。特に、平坦な場所への車両配置は非常に重要です。ここでは、そのポイントを簡潔に解説します。
平坦な場所への車両配置の重要性
1. 安定性の確保
はしご車はアウトリガー(安定脚)を使用して車体を水平に保つ必要があります。不安定な地面ではアウトリガーが正しく機能せず、車両の揺れや転倒のリスクが高まります。

はしごの位置合わせの重要性
救助活動を効率的かつ安全に行うためには、はしごを被救助者に正確に位置合わせすることが重要です。以下の手順を参考にしてください。
1. ターンテーブルの正確な位置決定
地面の状況を確認し、はしご車のターンテーブルを安定した場所に設置します。

2. はしごを被救助者に向けて伸ばす
被救助者に対して正面から水平に近い角度ではしごを伸ばします。下からの接近は、飛び降りや物を落とすリスクがあるため避けるのが基本です。

下から接近する際の注意点と対策
はしご車を使った救助では、下からの接近はリスクが高いため慎重さが求められます。ここでは、リスクとその対策を簡潔にまとめます。
リスク
1. 飛び降りの危険
被救助者がパニック状態になり、はしごに飛び移ろうとする可能性があります。
2. 物の落下
持ち物や子どもが落下する危険性が高まります。
3. 視界の制限
救助者の視界が悪くなり、状況把握が難しくなります。

対策
1. 冷静な声掛け
「その場にとどまってください」などの声掛けで安心感を与えます。
2. 距離の確保
はしごを窓枠やベランダに近づけすぎないよう調整します。
3. 落下物への備え
ヘルメットを着用し、速度を調整して安全を確保します。
4. 視界確保
煙や障害物を避ける角度で接近し、状況を確認しながら操作します。
5. 補助者の配置
地上から状況を監視し、リアルタイムで情報を共有します。
下からの接近はリスクが伴いますが、声掛けや視界確保、落下物対策を徹底することで安全性を向上できます。
緊急時の対応と追加の注意点
火災現場や高所作業時の緊急事態に備え、以下の点を押さえておきましょう。
• 子どもや物の落下に注意
被救助者が子どもや物を落とす可能性があるため、迅速に対応できる準備をしておきましょう。
• 救助者の位置確認
救助者が被救助者に近づく際、建物や周囲の障害物を常に確認し、安全な位置取りを心がけます。
• 指示を与える声掛け
被救助者に「安全に待っていてください」「こちらに移動してください」といった明確な指示を与え、落ち着かせることが大切です。
• 風速や環境の影響を考慮
強風や煙の中では視界が悪くなるため、慎重に行動し、無理な救助を避けます。
まとめ
はしご車を使用した救助活動は、スピードと安全性が求められる重要な任務です。
正確な位置合わせ、適切な操作、安全対策を実施することで、被救助者と救助者双方の安全を守りながら任務を遂行できます。
消防士として、日常的な訓練を重ね、緊急時にも冷静かつ効率的に対応できるスキルを身につけましょう。