意識を失い、適切に換気できない患者に遭遇した場合、異物による気道閉塞が原因である可能性があります。このような状況では、喉頭鏡とマギル鉗子が重要なツールとなります。
喉頭鏡とマギル鉗子は、異物を迅速かつ安全に除去するために設計されています。これにより、患者の気道を確保し、生命の危機を回避することができます。
喉頭鏡とマギル鉗子の基本構造と役割
喉頭鏡は、患者の気道を視覚的に確認し、異物を除去するためのツールです。通常、ハンドルとブレードの2つの部分から構成されます。
- ハンドル:大人用と小児用の2つのサイズがあり、操作の安定性を提供します。
- ブレード:直線型と曲線型の2種類があり、異物の視認と除去を助けます。

一方、マギル鉗子は、異物を掴んで取り除くための鉗子で、異なるサイズが用意されています。
- 大人用の大きい鉗子:大きな異物に対応。
- 小児用の小さい鉗子:小さな異物に対応。

これらを適切に使用することで、患者の安全を確保することができます。
喉頭鏡とマギル鉗子の使用手順
異物除去のための手順は、患者のサイズに基づいて適切なサイズの機器を選択することから始まります。
1.機器の準備:
- ブレードとハンドルを組み立てます。
- ライトが正常に作動するか確認し、ブレードがしっかりと固定されていることを確認します。
2.患者の頭の位置調整:
- 患者の頭を「スニッフィングポジション」に置きます。
3.喉頭鏡の挿入:
- 左手で喉頭鏡を保持し、ブレードを患者の口の右側に挿入します。
- 舌を左に移動させ、異物を視認します。
4.異物の除去:
- 右手でマギル鉗子を持ち、異物を除去します。
- 喉頭鏡のブレードを取り外す前に、他に異物がないか気道を確認します。
5.換気の確認:
- 十分な空気交換が行われているか確認し、必要に応じて患者を換気します。
小児または乳児の患者に対する手順の違い
小児や乳児に対して喉頭鏡とマギル鉗子を使用する場合、基本的な手順は大人と同じですが、いくつかの小さな変更が必要です。
1.機器の持ち方:
- ハンドルを親指、人差し指、中指で持ちます。
- 乳児の場合、左手の薬指と小指で顎を支えます。
2.喉頭鏡の挿入:
- 頭側からブレードを患者の口の右側に挿入し、舌を左に移動させます。
3.異物の除去:
- 異物を視認し、右手でマギル鉗子を持ち異物を除去します。
4.換気の確認:
- 他に異物がないか気道を確認し、十分な空気交換が行われているか確認します。

注意点とデメリット
喉頭鏡とマギル鉗子の使用には注意が必要です。
- 体液感染防止(BSI)の徹底:感染防止策を講じることが重要です。
- 反応のない患者にのみ使用:意識のある患者に使用すると危険です。
- 不適切な使用のリスク:喉頭鏡を歯や口に対してテコや支点として使用しないよう注意が必要です。不適切な使用は、重大な怪我や患者の気道構造の損傷を引き起こす可能性があります。

これらの注意点を守り、安全かつ効果的に異物除去を行うことが、患者の命を守るために重要です。
まとめ
異物による気道閉塞に対応するためには、喉頭鏡とマギル鉗子の正しい使用が不可欠です。適切な準備と手順を理解し、注意点を守ることで、患者に迅速かつ安全に介入することができます。これにより、患者の生命を守り、迅速な回復を支援することが可能です。
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