長骨固定法の手順と注意点

外傷

はじめに

長骨固定法とは、骨折した長骨(特に脛骨)の治療法の一つです。この手法は、現場での応急処置や病院での初期治療として用いられます。今回は、具体的な手順や注意点について詳しく説明します。

準備するもの

長骨固定法を行うためには、以下の装備が必要です:

  • パッド付きボードスプリント
  • BSI(個人防護具)
  • シーツ
  • タオル
  • 必要に応じて追加のパッド

これらの道具を準備し、使用可能な状態にしておきます。

手順の概要

手順は大きく分けて以下のステップに分かれます:

  1. 現場の安全確認:まず、現場が安全であることを確認します。
  2. BSIの装着:個人防護具を着用し、自分自身の安全を確保します。
  3. 患者へのアプローチ:患者に近づき、自己紹介をして状況を説明します。「こんにちは、私は救急隊の○○です。お手伝いします。怪我をされたのは右側ですね。足を固定するのを手伝ってもらえますか?」と声をかけます。
  4. PMSの評価:負傷した部分の脈拍、運動、感覚(PMS)を確認します。脈拍があること、患者が感覚を感じること、手や足を動かせることを確認します。
  5. ボードスプリントの準備と装着:パッド付きボードスプリントを取り出し、負傷していない部分で測定して適切な位置に配置します。膝の上下にキャット(固定具)を2つずつ配置し、関節を覆わないように注意します。
  6. 固定の確認:最後に、固定がしっかりと行われているか再度確認し、PMSを再評価します。

各ステップの詳細

1. 現場の安全確認

まず最初に、現場が安全であることを確認します。これは、自分や患者が二次的な危険にさらされないようにするためです。例えば、交通事故現場であれば、周囲の車両の動きや炎上のリスクを確認します。

2. BSIの装着

次に、個人防護具(BSI)を着用します。これには、手袋、マスク、ゴーグルなどが含まれます。これにより、自分自身を感染や汚染から守ります。

3. 患者へのアプローチ

患者に近づく際は、自己紹介をして安心させます。患者に状況を説明し、協力をお願いすることで、スムーズな処置が可能になります。例えば、「こんにちは、私の名前はカイルです。お手伝いします。怪我をされたのは右側ですね。足を固定するのを手伝ってもらえますか?」と声をかけます。

4. PMSの評価

PMSとは、脈拍(Pulse)、運動(Motor)、感覚(Sensation)の略です。これらを評価することで、血流や神経機能が正常かどうかを確認します。具体的には、脈拍を触診し、「感じますか?」と尋ね、患者に手や足を動かしてもらいます。

5. ボードスプリントの準備と装着

パッド付きボードスプリントを取り出し、負傷していない部分で測定します。適切な位置に配置し、キャットを膝の上下に2つずつ配置します。関節を覆わないように注意し、自然な空間を利用して固定します。

6. 固定の確認

最後に、すべてがしっかりと固定されているかを確認します。足を固定し、再度PMSを評価します。脈拍があること、感覚が正常であること、手足を動かせることを確認します。

注意点とデメリット

長骨固定法には注意点とデメリットもあります。例えば、不適切な固定はさらに損傷を引き起こす可能性があります。また、固定具の圧迫が強すぎると血流を阻害するリスクもあります。そのため、固定の際は慎重に行う必要があります。

まとめ

長骨固定法は、骨折の初期治療として非常に有効です。しかし、手順を正確に守り、注意深く行うことが重要です。正しい知識と技術を持って、安全に処置を行いましょう。

参考動画

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