救助活動において、ミニバンのスライドドアを効率よく取り外すスキルは非常に重要です。一般的なドア解体技術をそのまま適用しようとすると、スライドドアの特殊な構造により時間を無駄にしてしまうことがあります。本記事では、実践的な手順と注意点を詳しく解説します。
スライドドアの基本構造
ミニバンのスライドドアは以下の仕組みで動作します:
• ラッチ部分から外れる。
• ネーダーポイント(固定ポイント)が1~2箇所存在。
• **外部トラック(レール)**に沿って後方へスライドする。
この構造を理解することで、適切な取り外し方法を計画できます。

使用するツール
以下のツールが主に使用されます:
• スプレッダー(油圧救助工具)
トラックやドアを引き剥がすために使用。
• カッター
トラックの切断が必要な場合に使用。
• 窓破砕用ツール
作業スペースを確保するために窓を壊す際に使用。
スライドドア取り外しの手順
1. 窓の破砕(クラッシュダウン)
まず、窓を破砕して作業スペースを確保します。これにより、ドアの内側やトラック部分にアクセスしやすくなります。

2. ドアを広げる
スプレッダーを使用してドアを外部方向に押し広げます。この工程でドアを「フレアアウェイ」(広げて離す)することがポイントです。

3. トラックの切断(必要に応じて)
• ドアの上部と下部のトラックにアクセスできたら、それぞれをカットします。
• ただし、場合によってはカットせずにトラックガイドからホイールアセンブリを外すだけで十分な場合もあります。

4. セカンダリーポイントの確保
ネーダーポイント(固定部分)を確認し、スプレッダーで広げたり、切断したりしてドアを取り外す準備をします。

5. 最終カットと取り外し
後方に向けた最終的なカットを行い、ドアを取り外します。この時、スライドドアの動作方向を考慮することで効率的に作業を進められます。

注意点
• トラックガイドを壊さずに取り外す方法を優先
破壊的な方法は最後の手段として考えるべきです。
• 乗員の安全を最優先
取り外し中、乗員がドア付近にいる場合は二次被害を防ぐため慎重に作業してください。
• 車両の状態に応じた対応を
衝突や変形によるダメージがある場合、通常の手順が適用できないこともあります。その際は柔軟に対応してください。
まとめ
ミニバンのスライドドアの取り外しは、基本構造を理解し、適切なツールと手順を用いることで効率的に行えます。特に、スプレッダーの使い方や窓の破砕タイミングを工夫することで、救助活動のスピードと安全性が向上します。
この記事を参考に、スライドドアの取り外し技術を現場で役立ててください。
トラックガイドはなるべく壊さずに外すのがベスト。無理に壊すのは最後の手段だよ。乗員が近くにいるときは、ケガしないように慎重に作業しよう。車の状態によっては、いつも通りの方法が通用しないこともあるから、状況を見て柔軟に対応するのが大事!
