はじめに
建物の内部に緊急事態が発生した場合、迅速かつ効果的に強制侵入を行うことが求められます。特に鋼鉄製ロールカーテン(シャッター)ドアは、強度が高く、通常の方法では開けるのが困難です。本記事では、レスキューソー(エンジンカッター)を使用した強制侵入の具体的な手順と注意点について詳しく説明します。
ドアの評価
まず、ドアの外観を評価します。外部にロックやバレル、チェーンがない場合、ドアそのものを切断して侵入する必要があります。この際、ドアが鋼鉄製のロールカーテンであることを確認し、適切な切断方法を検討します。
評価ポイント
- ドアの材質と強度
- 外部ロックの有無
- 切断が可能な位置と範囲
初期のヘッドカット
最初に、肩や腕の位置で快適な高さに合わせて、できるだけ長く、広くヘッドカットを行います。この切断は、ドアの上部に大きな開口部を作ることを目的としています。
ヘッドカットの手順
- 切断位置を決定する
- レスキューソーを準備し、エンジンを始動
- 人の肩くらいの高さで水平に切断
垂直カット
ヘッドカットが完了したら、交差しないよう垂直カットを行います。垂直カットは、ドアの強度を保ちながら、安全に煙等の可燃性ガスを背後に残すために重要です。
垂直カットのポイント
- ソーが届く限り下部まで切断
- カットが交差しないように注意
- 切断中の煙の管理
45度のカット
次に、垂直カットに接続する45度のカットを行います。このカットにより、レスキューソーのヘッド全体を開口に入れやすくします。
45度カットの手順
- 垂直カットの終点から45度の角度を確認
- 角度に沿って慎重に切断
- 完了後、ソーを開口に挿入
角鉄の切断
穴を開けたら、地面に水平にある最下部の角鉄を完全に切り取ります。この切断が完了しないと、ドアを後ろに引き剥がせません。
角鉄切断の手順
- 角鉄の位置を確認
- ソーを使用して角鉄を切断
- 切断後、切り口を再度確認
ドアの引き剥がしと観察
角鉄の切断が完了したら、切り口を再びつなぎ、ドアを引きます。ドアを引き戻す前に、後ろにホースラインがあるか確認し、隊全体が準備が整っていることを確認します。ドアを引き戻した後は、火の挙動をよく観察し、煙の変化や色の変化、量の変化を確認します。
注意点
- ホースラインの準備
- 隊全体の確認
- 火の挙動の監視
内部の評価
最後に、強制侵入に成功し、建物内部に入る際には、迅速かつ慎重に評価を行うことが重要です。内部の状況を把握することで、二次災害を防ぎ、安全に作業を進めることができます。
評価ポイント
- 煙や火の挙動の変化
- 火災の位置と規模の特定
- 被害者の有無の確認
結論
鋼鉄製ロールカーテン(シャッター)ドアへの強制侵入は、高度な技術と慎重な手順を必要とします。適切な評価と切断方法を用いることで、迅速かつ安全に内部へのアクセスを確保することが可能です。常に最新の技術と手順を習得し、緊急事態に備えることが重要です。
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