ラダー・ジンポール(Ladder Gin Pole)救助システムは、穴や桟橋、河川護岸など障害物をまたいだ救助に最適なツールです。はしご1基とロープ1本(または2本)を使い、迅速に上部支点を構築できるのが特徴。現場での設置時間を短縮でき、狭小空間や不安定な場所でも安全な荷重確保が可能です。
本記事では、消防・救助隊員向けに安全かつ効率的なセットアップ手順と注意点を詳しく解説します。
必要な器具と準備
- はしご(アルミまたはFRP推奨)
- アンカーポイント(絶対に動かない固定物)
- ロープ(1本でも可、2本あれば安定性向上)
- カラビナ(ロッキングタイプ)
- プルージックコード
- 4:1(フォー・トゥ・ワン)システム
- 緩衝材(エッジ保護用)

1. アンカー設置
- 強固なアンカーポイントを選定
例:車両のフレーム、タイヤ、地物の固定構造物。 - ピンチポイント(ロープが擦れて損傷しやすい箇所)を避ける。
- アンカーにウェビングでロープを固定し、カラビナを接続。
- プルージックを使いロープを締め込み、ガイラインとして機能させる。

車両利用時はエンジン停止・サイドブレーキを必ず実施。
2. ガイラインの張り方
- 必ず2人で同時にテンションをかける
- ロープ中央にフィギュアエイトノットを作り、はしご上部左右の桁に結ぶ。
- 桁に結べない場合は、スリングやプルージックコードを横桟にかけ、カラビナ経由で接続。
- 中央部分を少したるませ、ここに4:1システムを接続。
- はしごを立てる前に全ての接続を完了させると効率的。

3. 安定性の確保
- はしご角度は45度以内を厳守。
- ガイラインの開き角度も45度以内。
- 必要に応じて**アフトライン(後方安全ロープ)**を追加。
- エンジン後部テールボードは補強(クリビング)を推奨。
- 地面ではピケット(杭)で脚部固定。
- 車両が使えない場合は、隊員が脚部を足で固定し、絶対に離さない。

足保持の隊員は絶対に位置を離れないこと。
4. 荷重方向と引き方
- 荷重はできるだけ垂直方向にかける。
- 真下に引けない場合は、基部付近で方向転換ポイントを設けて固定。
- はしご自体に直接タイオフしない(基部が浮き不安定になるため)。
荷重方向が斜めになると基部浮き・転倒の危険が高まる。
5. 安全確認と注意点
- エッジや摩擦ポイントは必ず緩衝材で保護。
- 必要に応じて高さを調整。
- 荷重をかける前に全ての固定を再確認。
- 訓練時は隊員が実際に昇降して安定性を確認。
まとめ
ラダー・ジンポール救助システムは、迅速な支点構築と高い安全性を両立できる非常に有効な救助手段です。ただし、角度やテンション管理を誤ると不安定になり、救助者・要救助者ともに危険が増します。正しいセットアップと入念な安全確認が成功の鍵です。










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