フォグネイルの使用方法と戦略的・戦術的指針
はじめに
消防活動において重要なツールの一つであるフォグネイルについて、その使い方、エンジンへの収納方法、エンジンからの供給方法、そして戦略的および戦術的な使用方法を詳しく説明します。フォグネイルは、表面冷却およびガス冷却の両方に使用できる水供給装置で、特に密閉空間やアクセスが難しい火災の制御に効果的です。
フォグネイルの基本概要
フォグネイルは、毎分20から30ガロンの低い水量で水を流し、150から200 psiの高圧で作動します。この高圧によって小さな水滴を生成し、ガス冷却を効果的に行います。各エンジンには、制限パターンフォグネイルと攻撃パターンフォグネイルがそれぞれ1つずつ配備されています。
- 制限パターンフォグネイル: フォグネイルを垂直に配置する場合に理想的です。天井を通して屋根裏スペースに水を分配したり、壁の隙間や床を通して地下室の火災に対応する際に使用します。このパターンは、水を水平に散布するため、特定のエリアに効果的に水を供給します。
- 攻撃パターンフォグネイル: フォグネイルを水平に配置する場合に理想的です。家の破風端や軒先からの攻撃、外壁を通しての攻撃に適しています。特に、火災の発生源が不明な場合や環境全体を冷却したい場合に有効です。
フォグネイルの使用方法
フォグネイルを使用するには、状況に応じたパターンに適したノズルを取り外し、ブースターラインの調整可能なノズルを取り外してフォグネイルを取り付けます。このラインは、理想的な排出圧力200 psiでポンプアップされますが、150から200 psiの圧力範囲でも許容されます。具体的な手順は以下の通りです。
- 適切なノズルの選択: 使用する状況に応じて、制限パターンまたは攻撃パターンのノズルを選びます。
- ブースターラインの調整: ブースターラインの調整可能なノズルを取り外し、フォグネイルを取り付けます。
- 圧力の調整: 理想的な排出圧力200 psiでポンプアップしますが、150から200 psiの圧力範囲でも問題ありません。
フォグネイルの効果的な使用
フォグネイルの効果的な使用には、適切な配置と適時の水適用が重要です。特に閉鎖された空間やアクセスが難しい火災(例えば、屋根裏や地下室)の消火において効果的です。
- 熱画像カメラ(TIC)の使用: 火災の発生源と延焼経路を特定するために使用します。これにより、最適な水供給ポイントを決定することができます。
- 温度のモニタリング: フォグネイルを使用して水を供給した後は、温度をモニターし、火災の制御状況を確認します。温度が下がれば、火災の拡大は防げたと判断できます。
フォグネイルの戦略的および戦術的使用
フォグネイルは、攻撃的または防御的なツールとして使用することができます。
- 主火制圧使用: 初期の火災制圧や熱とエネルギーの吸収に効果的です。例えば、建物屋内火災では、フォグネイルを使用することで迅速に火災を制御することが可能です。
- 延焼防止使用: 火災の水平拡大を防ぐ方法として利用されます。例えば、建物の外壁に複数のフォグネイルを設置し、継続的に水を流すことで火災の拡大を防ぎます。
フォグネイルの具体例と効果
いくつかの具体例を紹介します。
- 屋根裏火災: フォグネイルを使用することで、火災の拡大を防ぎ、迅速に制御することができます。天井の石膏ボードを通して制限パターンを使用する場合など、特定の環境に合わせた使い方が重要です。
- ガレージ火災: ガレージドアを開ける前に短時間の攻撃用フォグネイルを適用し、その後内部から消火する戦術が有効です。
- 車両火災:フォグネイルをエンジンフードの隙間から挿入し、水を供給します。この場合、ホーリガンツールなどを使用してエンジンフードに小さな穴を開け、そこからフォグネイルを挿入することも有効です。車両内部の火災に対しては、窓やドアの隙間からフォグネイルを挿入し、水を供給します。この方法により、車内の高温ガスを迅速に冷却し、火災の拡大を防ぐことができます。
- 地下室火災: 進行した地下室火災では、フォグネイルを使って水を供給し、火災を制御することが重要です。
まとめ
フォグネイルは、消防活動において非常に効果的なツールです。その適切な使用方法と戦略的な配置が、火災の制御と消火活動の効率化に寄与します。フォグネイルの使用経験を共有し、訓練を通じてその効果を最大限に引き出しましょう。
これを参考にして、フォグネイルの効果的な使用方法を学び、実際の消防活動でその力を発揮してください。
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