概要
本記事では、車両の部位名称を外装、内装、車内部の部品に分けて詳しく解説します。ピラーやボンネット、フロントガラスなどの外装部品から、インパネやシフトレバーなどの内装部品、エンジンやラジエーターといった内部機構まで幅広く網羅。各部位の役割や特徴、救助時に役立つ切断方法や注意点についても具体的に解説しています。これにより、救助作業の効率向上や安全性の確保に役立つ情報を提供します。初めての方でもわかりやすい内容になっているため、救助活動に携わる方や車両の基礎知識を身に付けたい方に最適です。
車の部位の名称(外装)
外装部分の部品や部位についての名称を解説します。
ピラー
ピラー(Pillar)とは柱状のものを指す英語ですが、現在では自動車の窓柱を表す自動車用語として使われています。写真からもわかるように、ピラーの間には窓があり、車は横から見た窓の枚数によってピラーの本数が異なります。一般的に、ピラーには前方からAピラー、Bピラー、Cピラー、Dピラーとアルファベット順に名前がつけられています。また、後述するBピラーがない車の場合は便宜上、前方から「AピラーとCピラー」と表現するのが一般的です。
基本的にステップチョーク等で車両安定化する場合、ピラー下(ポストともいう)に差し込む。
ボンネット
車には、エンジンを搭載するためのエンジンルームがあります。このエンジンルームのフタがボンネットといいます。
バッテリーもエンジンルームに通常はあります。
ボンネットダンパーには高圧ガスが入っているため切断しないようにしてください。
ルーフ
ルーフは日本語に訳すと屋根という意味があり、その名の通り車の屋根となる部位です。
通常、ルーフの素材には鉄板を使いますが、車体を軽量化するためにプラスチックをはじめ、アルミ、カーボンなどを使う場合もあり、レシプロソー等で容易に切断できます。
バンパー
バンパーはボディの前後に装着されており、前側はフロントバンパー、後側はリアバンパーといいます。
多くのバンパーの表面はプラスチック製ですが、内側に金属製の骨組みが入っています。
バンパーは衝撃を受け止め搭乗者を保護するような設計になっていますのでバンパー単体は強度がそれほど強くはありません。
フェンダー
フェンダーは前後のタイヤを覆っている部位です。
車両下部の空間を広げる際に、徒手で上げることができます。
サイドシル
サイドシルはボディのサイドです。ドアを開けたところの下の部分を指します。
フロントガラス
車の前側に取り付けられているガラスのことで、ドライバーや歩行者の安全に配慮し、2枚のガラスとその間にあるビニールフィルムで構成される合わせガラスとなっています。
強化ガラスのように粉砕することはないので、ガラスマスターかレシプロソーで切断します。
バックドア(リア)ガラス
車のバックドアに取り付けられているガラスのことです。強化ガラスであることが多いです。
サイドガラス
サイドガラスは車の側面に付いているガラスのことで、 フロントガラスとは違う目的があります。 それは、水に沈んだ時などにガラスを割って脱出することも考えられるので、一点を集中して叩くとすぐに割れる様になっています。
サンルーフ
サンルーフは、車の天井に設置された開閉可能な窓のことです。手動または電動で開け閉めが可能で、開放感を提供する役割があります。救助時には、サンルーフを緊急脱出口として利用することも考えられますが、素材によっては破壊が難しい場合があります。強化ガラスやポリカーボネート製のものがあり、場合によっては特殊な工具が必要です。
フレーム
フレームとは、車の骨格を指します。車全体の強度を保つために重要な部分で、衝突時のエネルギーを吸収し、搭乗者を保護する役割があります。救助活動では、フレームを切断する際に高性能の工具が必要となり、フレームの材質(鋼やアルミ)によって対応が異なります。特に救助隊員は、フレームの切断時に火花や飛散物に注意する必要があります。
シャーシ
シャーシ(chassis)とは、車両の基礎構造であり、エンジンやサスペンション、ボディなど主要な部品を支えるフレームのことを指します。いわば、車の骨格や土台にあたる部分で、自動車の安全性や走行性能を左右する重要な役割を果たしています。
シャーシには、フレームシャーシとモノコックシャーシの2つの主な種類があります。
モノコックシャーシ
現在、多くの乗用車に採用されているのがモノコック構造で、ボディとシャーシが一体化しているタイプです。軽量でありながら高い強度を持つため、燃費や衝突安全性が向上します。
フレームシャーシ
伝統的なフレーム構造で、シャーシの上に車体(ボディ)が取り付けられる形式です。トラックやSUVなどの大型車両によく使われています。
マフラー
マフラーは、車両の排気系統の一部で、エンジンから出る排気ガスを排出するとともに、排気音を抑える役割を持つ部品です。正式には「サイレンサー」とも呼ばれることがありますが、日本では一般的に「マフラー」として知られています。
車の部位の名称(内装・車内)
内装・車内の部品や部位の名称とその役割について紹介します。
インパネ(ダッシュボード)
インパネはインストルメントパネルの略称で、ダッシュボードともいいます。前席の前に取り付けられており、表面はプラスチック製ですが、内側に金属の骨組みが入っていることが多いです。
インパネには車に必要なメーターをはじめとする計器類、エアコンのスイッチ類、オーディオ、ナビゲーション、グローブボックスなどが取り付けられています。
シフトレバー
シフトレバーはギヤをチェンジする際に使う部品です。
エンジンがかからなくなってしまった故障時にはシフトロックを解除し動かす必要が出てきます。エンジントラブルの際に使用するのが、シフトロック解除ボタンです。
センターコンソール
運転席と助手席の境にあり、インパネと連携している部品です。センターコンソールはスイッチ類やフロアシフトが取り付けられており、収納スペースも設けられている場合があります。
ステアリングホイール
ステアリングホイール(ハンドル)は前輪の角度を変えるかじ取り装置の部品です。
ステアリングの挟まれの場合、チルトステアリングという高さ調整ボタンを押すことで、位置を変えれます。
ヘッドレスト
ヘッドレストは、座席の背もたれ上部に取り付けられている部品で、頭部を支え、衝突時に首へのダメージを軽減する役割があります。救助時には、ヘッドレストを取り外して、シートベルトカッターや窓破壊ツールとして使うことができます。一部の車では、ヘッドレストが衝突時に前方に倒れ、乗員をさらに保護する「アクティブヘッドレスト」が装備されています。
ペダル類
ペダル類には、アクセルペダル、ブレーキペダル、クラッチペダル(MT車の場合)があります。これらのペダルは車両を操作する際に不可欠ですが、事故時にドライバーの足がペダルに挟まれるケースもあります。救助時には、ペダルを切断または折り曲げて、挟まれた足を解放する作業が必要です。
車内部の部品名称
車内部の部品についての名称と、その役割を紹介します。
エンジン
エンジンは燃料と空気からなる混合気を燃焼させ、動力を発生させる部品です。
ラジエーター
エンジンは混合気を燃焼させるため、熱が発生し温度が上昇します。エンジンの温度が上昇し過ぎると、部品の焼き付きなどが発生し故障の原因となってしまいます。
ラジエーターにはエンジンの温度が上昇し過ぎないにようにするための役割があります。
ラジエーターの中にはクーラントと呼ばれる液体が入っています。クーラントをエンジン内に循環させることで、エンジンの温度が上がり過ぎないようにします。
サスペンション
このサスペンションは足回りと呼ばれることがあり、車の足といえる部品の総称です。
サスペンションには人間の足と同じような機能があり、凸凹した道にタイヤをしっかり追従させたり、走行中に車体を傾けたりすることで、スムーズにコーナーを走行することができます。
エアバッグの種類
- 後席センターエアバッグ同乗者やセンターコンソールとの衝突によるダメージから乗員を保護します。
ボタンを押すと、確認ができます。
参考ページ:車両の破壊方法をわかりやすく記載します
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