救命ボート

救助

近年、全国的に異常気象やゲリラ豪雨により水難事故が多発しています。
ここでは救命ボートでの救助方法を記載します。

非動力ボート

SG-156

非動力ボートとは船外機を使用せず、オールや水流を利用して移動します。

テンションダイアゴナル

河川に対し、ロープを斜め(おおむね45度)に設定します。カラビナ等でボートとロープを結着します。
ボートが下流に向かってロープ伝いに対岸に寄ることが出来きます。

テザーシステム

1本のロープを船尾に結着すると、フェリーアングル(※)の理論で対岸にボートを渡すことができます。また、2本使用すると、より効率よく渡すことができる。
(※)フェリーアングル・・・水流に対しておおむね45度の角度をつけること。

2ポイントテザーシステム

ボートのD環に2箇所ロープを取り付け、2方向から操作しながら要救助者にボートを近づける方法です。

ラダープラットホーム

三連はしごに結着したボートを岩場や中州等に取り残された要救助者のもとへ隊員が入水することなく届ける救助手法です。

ボートに三連はしごと誘導ロープを結着します。

引用:興部進歩の会

三連はしごの送り出しと誘導ロープを操作し、目的の場所へボートを到達させ、要救助者を救出します。

引用:興部進歩の会
引用:興部進歩の会

動力ボート

動力ボート 消防 に対する画像結果

動力ボートとは、船外機等エンジンが付いたボートであり、知識や技量の低い者が扱った場合、非
常に危険な資機材にもなり得ます。

基本原則

操縦者は、ボートの運航や安全管理など全てに対し責任を負います。事故を起こせば、車両の運転と同様に行政処分、刑事責任、民事責任等、法的な責任を負うこととなり、小型船舶の事故の多くは、操縦者の意識の低さに起因しています。
操縦者は、ボート運航における最高責任者であり、迅速かつ確実であることに加え、経験に基づく冷静さが求められます。水上で刻々と変化する状況を正しく理解・判断し、安全で効果的なボートレスキューを実施するためにも、日々知識と技術の向上に努めていく必要があります。

レッドゾーン

操縦者や乗員が船上から手の届く作業範囲は、要救助者を救助するエリアであると同時に、障害物への接触など、細心の注意を払うべきエリアでもある。このエリアを「レッドゾーン」と呼びます。
要救助者救出時は、レッドゾーンへ要救助者を安全確実に導き入れることによって初めて救助が可能となります。
また、レッドゾーンは、水面上のみならず水面下も含むため、目に見えない水面下の水深、暗礁やその他障害物にも細心の注意を払い、自船の損傷を避けなければならない。
ヒヤリハット事例にも自船の接触事例は非常に多く、操縦者及び乗員は常にレッドゾーンを意識し活動することが重要となります。

救出要領

ボートレスキューは危険を伴う活動であり、救助手法の判断は、動力ボートの機動力のみに頼らずに、様々な救助手法の中からより安全で確実な方法を選択することが求められます。

救助資器材

・フローティング担架
・スローバック、救命浮環
・保温用毛布
・AED

要救助者の捜索

・操縦者及び乗員全員で全方向の見張りを行うとともに要救助者の発見に努める。
・陸上の隊員と連携して情報を収集する。
・捜索中の見張りは全員で行い、乗員は水上や水中の障害物、水深や周辺環境の変化について逐次操縦者に情報伝達する。

要救助者への接近・確保

・要救助者を発見後、風・波等の状況を見極め、最も安全な方法で接近する。
・乗員は要救助者を指差し、見失わないようにしながら操縦者に報告する。
・操縦者は要救助者の手前20~30メートルに至るまでに最低エンジン回転数まで減速する。
・要救助者を確保できる位置にボートが着いたら、操縦者はギアを中立にするかエンジンを停止し、乗員は要救助者を迅速に確保する。

【留意点】
・ 要救助者に対し、可能であれば背浮きで呼吸を確保して浮いて待つように声かけする。
・ 操縦者が視認しやすいよう、操縦者が座る側の舷から要救助者を救出する。
・ 要救助者との距離があるときは、無理に体を船外に出さず、投げ具(救命浮環・レスキューチューブ)や棒(ボートフック・パドル)などを使って引き寄せる。

要救助者の引上げ・乗艇


・要救助者が自力乗船できる場合声を掛け、ライフラインに掴まらせてから、船内に乗船させる。この際、乗員は要救助者が乗り込むのを、ライフジャケットなどを掴んで補助する。
・要救助者が自力で乗船できない場合、乗員は体を乗り出して、要救助者の体の一部を掴む。両脇から手を入れ、要救助者を確保し、船内に引き込む。
・要救助者を船内に引き込んだら、頭部を船首に向け、保温処置を実施する。

【留意点】
・ 要救助者を引き上げる際に救助する側が落水することが多いので留意する。
・ 要救助者引き上げ時に要救助者の体の一部がプロペラの下に入り込まないように最大限の注意を払う。
・ 引き上げ作業中の転覆防止のため船体の水平を崩さないように、乗船者全員でバランス保持に努める。

ファイバーライトクレードル

ファイバーライトクレードルは要救助者を救命ボート内に引き込む際に要救助者の身体への負担 も少なく、設定及び収容も容易にできる資器材です。

使用方法動画👇

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