レスキューボートの基本知識

救助

フェリーアングル

フェリーアングルとは、ボートを操作する際に川の流れや状況に応じて船の向きを調整する技術の一つです。特に流れが下流に向かっている場合、救助活動や障害物を避ける際に役立ちます。以下にわかりやすく説明します。

船首の向き

  • 上流に向ける: ボートを操作する際、常に船首(船の鼻先)を上流に向けることが基本です。これにより、最大の操縦制御と操作制御が得られます。
  • 下流に向けない: 船首が下流を向くと、モーターやボートの反応性が低下し、操作が難しくなります。

フェリーアングルの基本

  • 船首の角度: 船首を上流に対して15~30度の角度に調整します。これにより、流れが船の側面に当たり、船が左右に移動しやすくなります。
  • 反応の調整: 流れが強い場合、ボートの反応も強くなります。船首が直接上流を向いていない場合、左に向いていれば船は自然に左に移動し、右に向いていれば右に移動します。

救助活動時の注意点

  • 反応の相殺: 被災者を救助する際、例えば右側で救助する場合、船が右に引っ張られないように舵を調整します。救助者が船首を右に向けようとする力を相殺するために、モーターで反対方向に操作し、船の位置を安定させます。

実際の操作

  • 位置保持: 被災者を救助する際には、船首が自然に右側に向くので、これを相殺するためにモーターで反対方向に操作します。
  • 流れの理解: 流れの強さや方向を理解し、それに応じたフェリーアングル操作を行うことが重要です。

ボートの旋回時の荷重管理

ボートの旋回時の荷重管理について、特にジョンボートの場合の安全な方法を以下にわかりやすく説明します。

基本原則

  • 旋回中は下流側に配置: 旋回中の転覆を防ぐために、救助隊員をボートの下流側に配置することが重要です。これはボートが安定するための基本的な配置です。

具体的な指示

上流に向かって航行している場合

右旋回:

  • 全員が右側に移動します。これにより、ボートが右に傾く力を相殺し、安定した旋回が可能になります。

左旋回:

  • 全員が左側に移動します。これにより、ボートが左に傾く力を相殺し、安定した旋回が可能になります。

下流に向かって航行している場合

右に大きく旋回:

  • 全員が左側に移動します。これにより、右旋回時の安定性が保たれます。

左に大きく旋回:

  • 全員が右側に移動します。これにより、左旋回時の安定性が保たれます。

注意点

  • 船の傾き: これらの指示は絶対的なものではなく、自分の船がどの程度傾くか、旋回時にどれくらい水を取り込む可能性があるかを理解する必要があります。
  • 下流での操作: 特に下流での操作時には、船が上流側に傾くことがあるため注意が必要です。例えば、エディに入るターンや障害物を避けるための非常にタイトなターンを行う際には特に注意が必要です。

船の理解と限界

  • 船の性能と限界を把握: 自分の船の特性と限界を把握し、それに基づいて適切に乗員を配置することが重要です。
  • 水の侵入を防ぐ: 旋回時に船の上流側に水が入らないようにすることが鍵です。これにより、船が転覆するリスクを減らします。

各種ボート

シャトルクラフトのような船の操作方法と、プレイアブルクラフトとの違いについてわかりやすく説明します。

シャトルクラフトの特徴と操作

高い反応性:

  • シャトルクラフトは非常に反応性が高く、水上を滑るのではなく、まるでレール上を走るように操作されます。
  • これは、船体の下にある「ハイジャッカー」が効果的に働くためです。

エディターン:

  • 下流でエディターンを行う際、シャトルクラフトは洗い流されることがなく、船首が水から持ち上がり、再配置されます。

ジョンボートや通常の平底船との違い

ジョンボートや平底船:

  • これらの船はシャトルクラフトほどの反応性はありません。
  • エディターンを行うとき、シャトルクラフトほどスムーズに船首を持ち上げて再配置することはできません。

一般的なボート操作の原則

自分のボートを理解する:

  • 各ボートには独自の特徴があります。時間をかけて自分のボートの特性を学ぶことが重要です。
  • ボートの旋回半径やエディでの操作方法を理解することが必要です。

実践と経験:

  • 理論だけでなく、実際にボートを操作してみることで、その特性を理解することができます。
  • 操作方法を身につけるために、練習を重ねることが重要です。

エディでのアプローチ方法

エディ(流れが静かになる部分)を探してボートを操作する際の上流アプローチと下流アプローチについて、わかりやすく説明します。

上流アプローチ

フェリー操作:

  • ボートをフェリー(15~30度の角度)させてエディに入る。
  • エディは大きな障害物の背後にあります。障害物によって流れが変化し、エディが形成されます。

スロットル調整:

  • エディに入ったら、スロットルを調整する必要があります。
  • 流れが強い場合、スロットルを少し戻して速度を落とします。
  • 必要に応じて少しスロットルを入れて障害物に衝突しないようにします。

安全なポイント:

  • エディ内では、ボートをその位置に保持するために安全なポイントを見つけます。
  • 舵の操作を注意深く監視し、ボートが流れに流されないようにします。

救助活動:

  • エディは、被災者を救助するための素晴らしい避難場所です。
  • 流れが強くて上流へ進むのが難しい場合、このようなエディに進入して救助活動を行います。

下流アプローチ

ボートの配置:

  • 目標から一隻分の長さほど離れた位置にボートを配置します。
  • ボートの鼻先が目標に近づいたら、エディに向かってタイトなピールターンを行います。

タイトなターン:

  • ボートの後部を回してエディに入れます。
  • ターンをタイトにする必要がありますが、ボートが傾きすぎたり転覆したりしないように注意します。

荷重の中立:

  • エディに入ったらすぐに、全ての乗員がボートの荷重を中立に保つようにします。
  • これにより、ボートが逆方向に傾かないようにします。

スロットル調整:

  • エディに入った直後にスロットルを戻し、その障害物がボートをその位置に留めるようにします。

エディから出る方法

下流に向かうエディターン:

  • 障害物から離れてフェリーアングルを設定し、川の幅に向かって進みます。
  • タイトなターンを行い下流に向かいます。
  • その後、目標に向かって再び回頭します。

フェリーアングルを設定して出る方法:

  • フェリーアングルを設定し、川の流れがフェリー角に与える影響を相殺します。
  • モーターを使って回頭し、上流に向かって進み始めます。

まとめ

エディを探してボートを操作する際には、上流アプローチと下流アプローチの両方の方法を理解し、それぞれの状況に応じて適切な操作を行うことが重要です。エディ内では安全なポイントを見つけ、スロットルや舵の操作を注意深く調整することで、効果的な救助活動が可能になります。

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