USAR(アーバン・サーチ・アンド・レスキュー:都市型捜索救助)チームは、地震や爆発事故などの大規模災害時に被災建物へ進入し、要救助者の捜索・救出を行います。その際に欠かせないのが「Xマーキング」と呼ばれる建物へのマーキングです。
この記事では、Xマーキングの目的・記載方法・読み取り方・注意点について、初心者にもわかりやすく解説します。
✅ Xマーキングとは?その目的と重要性
Xマーキングとは、USARチームが建物に進入・捜索・撤退する際に、建物の外壁にスプレーで描く「大きなX印」のことです。
このマーキングには次のような目的があります:
- どのチームが、いつ、建物に入ったかを記録
- 危険情報や捜索結果を共有
- 他のチームや指揮本部が即座に状況把握できるようにする
つまり「建物のステータスを可視化する重要なサイン」であり、USAR活動の基本といえる技術です。
🖌️ マーキング方法と記載ルール(FEMA方式)
マーキングはスプレーペイントで壁に描きます。記載する場所と内容は以下の通りです。
🧱 描く場所(ドア・窓はNG)
- ✅【OK】外壁など、常に見える場所
- ❌【NG】窓:後で開く可能性あり
- ❌【NG】ドア:開閉でマーキングが隠れる恐れあり
❌ Xマークの構成と意味(4方向)
マーキングは大きな「X」の形を取り、4方向に以下の情報を書き込みます。
| 位置 | 内容 | 記入例 |
|---|---|---|
| 上部(↑) | 建物を出た日時 | 10/1/2013 03 |
| 左側(←) | チームID | SS1(例:Shepherd School 1) |
| 右側(→) | 危険情報 | Broken gas line(ガス管破損) |
| 下部(↓) | 生存者・遺体の数 | 4 live / 1 deceased |

⚠️ 各項目の補足解説
🕒 上部:建物から撤収した日時
例:10/1/2013 03 → 2013年10月1日 午前3時に捜索完了
🧑🚒 左側:捜索チームのID
例:SS1 → Shepherd School 1 チーム
🔥 右側:建物内の危険情報
例:Broken gas line → ガス漏れ
他にも Hazardous chemicals(化学物質)、Structural damage(構造損壊) など
🧍 下部:要救助者の状況
例:4 live / 1 deceased → 生存者4名、死亡者1名
📦 その他のマーキング方式:ボックス方式との違い
Xマーキングのほかに、ボックス方式(構造評価マーキング)も存在します。これは建物の構造安全性を示す目的で使用さ
| マーキング方式 | 主な目的 | 使用場面 |
|---|---|---|
| Xマーキング | 捜索状況の記録 | USARの捜索活動時 |
| ボックス方式 | 建物の安全性評価 | 構造技術者による判定後 |
目的が異なるため、混同しないように注意が必要です。
🎯 まとめ|Xマーキングは命を守る情報共有手段
USAR活動における「Xマーキング」は、被災建物の捜索状況や危険情報を可視化するための重要な方法です。適切なマーキングがあることで、後続の隊員が無駄なく、安全に作業を進めることができます。
**「誰が・いつ・どこで・何を見つけたか」**を共有するこのサインは、まさに「命をつなぐ記録」です。










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