土砂災害の主な原因
土砂災害の主な原因を分かりやすく説明します。
1. 豪雨・長雨、融雪
- 何が起こるか: 大雨や長期間降り続く雨、そして雪が解けることで、地面の水分が増えて土が重くなります。
- どうして問題なの: 土が水を吸いすぎると、その重さで崩れやすくなり、斜面が滑り落ちる「地すべり」や「斜面崩壊」を引き起こすことがあります。
2. 地震
- 何が起こるか: 地震が起きると、地面が激しく揺れます。
- どうして問題なの: この揺れによって、山や崖などの不安定な土や岩が動き出し、大きな「地すべり」や「崖崩れ」が起こる可能性があります。
3. 火山噴火
- 何が起こるか: 火山が噴火すると、溶岩や火山灰が山を流れ下ります。
- どうして問題なの: 火山灰が積もると、地面の水はけが悪くなり、重さで斜面が崩れやすくなります。これも土砂災害を引き起こす原因になります。
4. 工事
- 何が起こるか: 地盤を掘ったり、山を切り開いたりする工事があります。
- どうして問題なの: 工事によって地形や地質が変わると、土や岩が安定を失い、崩れやすくなります。適切な対策がなければ、これも土砂災害を引き起こすことがあります。
これらの原因は、一つだけではなく、しばしば複数組み合わさって土砂災害を引き起こします。例えば、大雨が降った後に地震が起きると、地すべりのリスクはさらに高まります。また、人間の活動や自然の力が組み合わさって、予期せぬ災害を引き起こすこともあります。
土砂災害や地形変化に関する現象
土砂災害や地形変化に関する現象を、もっと分かりやすく説明します。
がけ崩れ
- 定義: 斜面の表面近くが、雨や雪解け、地震などで突然崩れること。
- 特徴: 斜度がきつい所でよく起き、非常に速く動きます。元の形を全く留めません。
- 追加情報: がけ崩れの後には、さらに上部の斜面が崩れることや、もっと深いところでの崩壊が起きることがあります。
地滑り
- 定義: 地中の水の影響で、地面の一部が滑り落ちること。
- 特徴: ゆっくりとした動きが特徴で、時には何年もかけて滑り続けることがあります。地震がきっかけで動き出すことも。
- 追加情報: 最初は遅い動きでも、急に速くなることがあります。また、がけ崩れを引き起こすことや、土石流に変わることもあります。
土石流
- 定義: 土砂や岩が水と混ざり合い、流れる現象。
- 特徴: 流れる速度は場所の傾斜や土砂の量によって異なり、非常に速い動きをします(秒速10m以上)。
- 追加情報: 雨が降っている間やその後に何回も起こることがあり、「山津波」とも呼ばれます。
深層崩壊
- 定義: 地面の表面だけでなく、深いところまで含めて広範囲にわたって崩れる現象。
- 特徴: 大雨や地震によって引き起こされ、土砂が遠くまで流れていきます。
- 追加情報: 火山が崩れる時は「山体崩壊」と呼ばれます。
溶岩流
- 定義: 火山から出たマグマが地表を流れること。
- 特徴: 溶岩の温度が高いほど、粘り気が少なく速く流れます。速度は斜面の傾斜やマグマの温度によって変わりますが、通常は時速数km程度です。
これらの現象は、地域や地質の違いによって異なります。それぞれに適した予防策や対応が必要です。
土砂災害が発生する前に現れるサインとそれに基づく活動停止の基準を分かりやすく説明します。これらのサインは、災害の前兆であり、安全を守るために注意深く観察し、適切な行動を取る必要があります。
活動停止基準
1. 湧水の量が急増する、または水が濁る
- 説明: 地面からの水の流れが急に増えたり、水が濁っているのを見たら、これは地下の土砂が動き出している可能性があります。
- 活動停止基準: このような状況が見られたら、すぐに活動を停止して安全な場所へ移動する必要があります。
2. 湧水が急に止まる
- 説明: 湧水が突然止まるのは、地下の水の流れが何かによって遮られているサインです。これは土砂が堆積して水の通り道を塞いでいる可能性があります。
- 活動停止基準: 湧水が止まったら、土砂崩れの危険があるため、直ちに作業を停止し安全な場所へ退避してください。
3. 地表に亀裂が生じる
- 説明: 地面に亀裂が見られる場合、土砂の安定性が損なわれている可能性が高く、崩壊の前兆かもしれません。
- 活動停止基準: 亀裂を発見したら、直ちに活動を停止し、安全な場所への退避を優先してください。
4. 斜面からの落石が急増する
- 説明: 斜面からの落石が増えるのは、斜面が不安定になっている証拠です。
- 活動停止基準: 落石が増えたら、すぐに活動を中止し、安全な場所へ避難してください。
5. 沢の水の量や濁りが変わる
- 説明: 沢の水量が急に増えたり、水が濁ったりするのは、上流で土砂災害が起きている可能性があります。
- 活動停止基準: このような変化を観察したら、直ちに活動を停止し、安全を確保してください。
安全監視
- 方法: 安全な高台などから、上記の現象に注意を払いながら監視を行います。例えば、秒速10mで進む土石流から安全に退避するには、少なくとも600m上流で監視を行うことが推奨されます。
これらの基準と監視は、自分自身や他の人々の生命を守るために非常に重要です。土砂災害の前兆を見逃さず、早めに安全な行動を取ることが大切です。
個人装備ガイド
土砂災害対応時の個人装備についてのガイドを分かりやすく説明します。これらの装備は、現場での安全確保と効率的な活動を目的としています。
標準装備
- 保安帽: 頭部を落下物や衝撃から保護します。
- ケブラー手袋: 手を切り傷や摩擦から守ります。
- 安全帯: 高所での作業時に転落防止を確保します。
- 編上げ靴または長靴: 足元を不安定な地面や水濡れから保護します。
- 警笛: 非常時に注意を喚起します。
- ライト: 暗い場所での視認性を高めます。
- 携帯警報器: 緊急時に他のメンバーに通知するために使用します。
救出・掘削活動時の追加装備
- ゴーグル: 目を塵や飛散物から保護します。
- マスク: 塵や有害物質の吸入を防ぎます。
- プロテクター(肘・膝): 膝や肘を怪我から守ります。
特殊状況への対応
- 雨衣: 雨天時に体を濡れから保護します。
- 救命胴衣: 水中での活動時に浮力を提供します。
特別な手掘り作業時の装備
- 厚手のゴム製手袋: 手を保護し、土離れが良いので作業がしやすいです。
- 養生テープやガムテープ: 長靴の上部に巻いて、水や泥の流入を防ぎます。
緊急・救助・医療活動時の追加装備
- 交通救助活動用具: 車両の破壊や開錠に使用します。
- 流水救助用具: 水中での救助や作業時に必要です。
これらの個人装備は、土砂災害対応の基本であり、現場の状況に応じて追加や変更をすることが重要です。作業者はこれらの装備を適切に使い分けることで、安全に、かつ効率的に活動することができます。
検索方法
初期段階(表面検索)
1.目視及び呼びかけ
- 災害現場を目で見てチェックし、声を出して要救助者がいるかを確認します。例えば、「誰かいますか?」と声を大にして呼びかけることです。
2.サイレントタイム
- 一時的に全員が静かになり、救助隊が要救助者からの微弱な声や音を聞き取れるようにします。この時間は、要救助者の小さな反応を捉えるために重要です。
3.人力での除去
- 手や小さな工具を使って、簡単に取り除ける障害物を除去し、要救助者の存在を確認します。この段階では、大規模な救出活動は行いません。
中期段階(空間検索)
1.高度救助用器具の活用
- 画像探索機や音響探知機などの特殊な機器を使って、がれきの下や閉じた空間にいる可能性のある要救助者を探します。
2.支柱器具・破壊用器具の活用
- 救助用の支柱で安全を確保しながら、破壊用器具を使ってがれきを取り除き、要救助者がいるかどうかの範囲を広げて検索します。
災害現場での救助活動の進め方について、特に構造物やがれき内の進入と救助に焦点を当てて分かりやすく説明します。
構造物・がれき内への進入
- 目的: 構造物やがれきの中へ進入して、生存しているかもしれない人々を見つけ出し、救助することです。
- 方法: 安全を最優先しながら、慎重にがれきを移動または除去し、要救助者を探します。この過程で、生存者の声や動きに注意を払います。
救助技術と資機材の全投入
- 目的: がれきの中に閉じ込められている人々を効果的に探し出し、救助するために、利用可能なすべての技術と機材を使用します。
- 方法: 高度な救助器具(音響探知機、熱感知カメラなど)、破壊用ツール、支柱や安全装置を駆使して、救助活動を行います。
迅速な判断と連携
- 目的: 救助活動が迅速かつ効率的に進行するように、現場での迅速な判断と、他の救助隊や支援機関との連携を確保します。
- 方法:
- 迅速な判断: 現場指揮官が状況を素早く評価し、必要に応じて追加の救助隊や資機材を要請します。
- 連携: 通信機器を用いて、他の救助隊や医療関係者と情報を共有し、効果的な救助活動を展開します。
後期段階(詳細検索)
災害発生後の救助活動の「後期段階」では、より詳細な検索と土砂の除去が重点となります。ここでは、この段階での主な活動を分かりやすく説明します。
重機の活用
- 目的: がれきや土砂の除去を効率的に行い、行方不明者を探すことです。
- 方法: 重機(ショベルカーやブルドーザーなど)を使って、大量の土砂やがれきを安全にかつ迅速に取り除きます。この過程で、要救助者や行方不明者が隠れている可能性のある場所を慎重に探索します。
関係機関との調整
- 目的: 土砂の搬出や処理を円滑に進め、救助活動を支援するためです。
- 方法: 土砂災害の現場で作業を行う際は、地方自治体や警察、消防などの関係機関と密接に協力し、土砂の搬出方法や集積場所、搬出経路の確保を図ります。これにより、土砂の適切な処理と救助活動の効率化を目指します。
活動の展開
この段階での活動は、被災地の状況を細かく確認し、まだ見つかっていない行方不明者を発見し、救助することに重点を置いています。重機を活用した大規模な土砂の除去や、関係機関との連携を通じて、効率的かつ効果的に検索活動を進めることが可能です。
このように、後期段階では、大規模な資源と協力をもって、行方不明者の検索と救助活動をさらに推進します。災害発生から時間が経過しても、救助隊は諦めずに検索を続けることが重要です。
安息角について
安息角とは、粒状体が自然に形成する斜面の最大傾斜角度のことで、この角度を超えると物質は崩れてしまいます。地盤工学においては、この概念は非常に重要で、特に粘着力のない砂や礫の斜面が安定していられる角度として扱われます。しかし、実際には自然状態の土壌や砂礫には水分や粘土などが含まれることが多く、そのため実際の安息角は理想的な状態よりも複雑な条件に影響されます。
安息角は土の種類や含水量によって変化します。乾燥状態では安息角は小さくなる傾向にあり、適度に湿っている場合にはより大きな角度で安定します。この性質は、土砂災害のリスク評価や、消防や救助活動での砂の掘削作業など、実際の現場で重要な考慮事項となります。
例えば、安息角が30度の場合、要救助者の周囲を1メートル掘り進めるには、水平方向から約1.7メートルの位置から円錐形に掘削を行うことで、土砂の安定を保ちつつ、効率的に作業を進めることができます。この計算は、安息角を利用して土砂の移動や堆積を予測し、安全な作業計画を立てるのに役立ちます。
総合的に、安息角は土壌や砂礫がどれだけの傾斜で安定するかを示す重要な指標です。これを理解し適切に利用することで、建築、土木工事、災害対策など多岐にわたる分野でリスクを低減し、安全性を高めることが可能になります。
土圧について
土圧は、地中にある構造物や埋設物にかかる土の圧力のことで、建築や土木工学において重要な要素です。この圧力は、地下の物体が周囲の土から受ける力であり、その方向は多方面に及びます。一般的に、土圧は埋設物の深さが増すほど大きくなり、その理由は上層の土の重さによって下層の土にかかる圧力が増加するためです。
土圧には主に2種類があります。一つは静止土圧で、土が静止していて動いていない状態での圧力です。もう一つは動土圧で、土が移動または変形することによって生じる圧力です。
例えば、擁壁は土圧を受ける一般的な構造物です。擁壁の主な目的は、山側の土を支えて谷側への崩壊を防ぎ、安全な平坦な空間(例えば道路や建物の敷地など)を確保することです。擁壁が土と接する面には、土の重量と構造物の形状、土の種類、水分含有量など多くの要素に依存する圧力がかかります。適切な擁壁の設計と施工は、この土圧を効果的に管理し、構造物の安全性と耐久性を確保するために不可欠です。
土圧の計算と分析は、土壌の性質(粘性、粒度、密度など)や含水率、さらには地震などの外力が加わった際の土の挙動を考慮して行われます。これにより、構造物の設計者は適切な材料選択、寸法決定、および補強方法を決定できるようになり、長期的な安定性と機能性を確保できます。
土圧の管理と対策は、特に地下構造物や斜面の安定性を確保する上で重要です。これには、適切な排水システムの設計、地盤の固化処理、擁壁や支保工の設置などが含まれます。これらの措置により、土壌の動きや水分の影響を最小限に抑え、土圧による構造物への影響を軽減することが可能です。
掘削時の基本
掘削作業は、土の種類や条件によって様々な課題を抱えます。特に、掘削面の角度が急になると、土砂が流れ込みやすくなり、崩壊するリスクが高まるため、これを防ぐ対策が必要です。以下に、掘削時の基本的な対処法をわかりやすく説明します。
掘削範囲の拡大
- 目的: 掘削面の角度を緩やかにすることで、土砂の流入や崩壊を防ぎます。
- 方法: 掘削する範囲を広げて、斜面を緩やかにします。これにより、土砂の安定性が高まります。
土の自立力を高める
- 水量調整: 土中の水分は土の粘着力に影響を与えます。適度に水分を減らすことで、土が固まりやすくなり、自立しやすくなります。
- 支持物の使用: 木材や金属の支柱、土留め壁などを用いて土を支えます。これにより、掘削面が崩れるのを防ぎます。
応急土留めの利用
- 目的: 限られた範囲での掘削時に、土を一時的に留める手法です。
- 方法: シートピリング(鋼板を地中に打ち込む)、木材や竹を使用した土留め、または織物を用いた土留めなど、状況に応じた方法を選択します。
応急土留め
一般的に土留めとは、掘削面の崩壊を防止するために設置する構造物を指します。土砂災害時において、消防機関は掘削した際の土圧を保持するか、掘削部へ周囲から流入する土砂を留める目的で、コンパネなどを用いて簡易な構造物を設定することがあります。このような応急的な対策を「応急土留め」と呼びます。
土砂を留める手法としては、土のうや矢板、H型鋼などの土木工法がありますが、救助活動に比較的容易に利用可能なコンパネと単管を組み合わせた簡易な手法があります。ただし、現場の土質や水分量、土砂に含まれる根や倒木などの状況によって応急土留めの強度が異なるため、現場の状況に応じた設定と、応急土留めの効果を過信せず、常に監視することが重要です。
使用する主要部材
単管: 土砂を留めるための支柱として使用。
- 先端金具(円錐形)を装着し、打ち込みやすくする。
- 上部に打ち込み座金を取り付け、単管が歪みにくくなる。
コンパネ: 土砂が流入するのを防ぐ板材。
- コンパネの長さは90cm、単管の長さは約150cmが適している。
- コンパネを地中に約40cm打ち込む設計。
打ち込み手順と注意事項
単管の初期打ち込み:
- 小型ハンマーで単管を肩から胸部付近まで打ち込む。
- 大型ハンマーに持ち替えて単管の位置を確定。
コンパネの立て付け:
- 単管を真下にまっすぐ打ち込み、コンパネを支える位置に立てる。
- 赤テープが見えなくなるまで単管を打ち込むことで、適切な深さを確認。
反対側への単管打ち込み:
- 掘削する反対側にも単管を打ち込み、コンパネを挟む。
- 単管2本を使用し、ロープで固定する。
掘削とコンパネの同時進行:
- 木材等を当てて掛け矢で打ち、掘削しながらコンパネを設置。
- 無理な打ち込みは避け、適切な強度を保持。
地中の単管確認:
- 土質により異なるが、単管が30cmから40cmは土中に入っていることを確認。
傾斜地と平坦地での対策
傾斜地:
- 山側に応急土留めを行い、土圧を排除し土砂の再流入を防ぐ。
平坦地:
- 全方位からの土圧に対応し、四方をコンパネで囲む。
その他の注意事項
- 土質や斜面によっては、より長い単管が必要になる場合がある。
- 常時の監視と現場状況に応じた柔軟な対応が重要。
救出活動要領(例)
救出活動要領の概要を箇条書きで簡潔に説明します。
1. 救出活動の初期段階
周囲の状況確認:
- 隊員の自己確保を設定する。
活動スペース確保:
- 要救助者周囲にグラウンドパッド(コンパネ等)を設定し、土砂の再崩壊を防ぐ。
- 斜面等では土のうで足場を安定化。
要救助者の確認:
- 要救助者の一部が確認できる場合、顔や胸部まで土砂を手掘りで掘削し、土圧による呼吸抑制を解除。
- 安全帯を使用して要救助者を確保する。
2. 掘削活動
救出プランの検討:
- 埋没の状態を把握し、救出プランを立てる。
- 埋没の深さが1m前後であれば、要救助者から1.5~2m離れた位置から掘削開始。
掘削開始:
- 掘削範囲を広げて土圧軽減を図る。
埋没状態の特殊な対応:
- 直立して埋没している場合はコンパネでの応急土留めが必要。
注意事項:
- 救出活動や掘削の際、要救助者周囲の障害物に注意する。
3. 要救助者搬出
抜き方の注意点:
- 土砂排出が膝付近まで達した場合、足を引き抜く際に予想以上の土圧がかかることがある。
- 両足が揃って埋まっている場合は片足を集中的に掘り、抜くことで反対の足も容易に抜ける。
土砂搬送要領:
- 大量の土砂を掘削、排除する際は、堆積場所を確保する。
- 堆積場所は要救助者から3m以上離れた活動に影響のない場所を選定。
土砂搬送の方法:
- 人員ローテーションを考慮し、土砂の排出方向を決定。
- ベルトコンベアーやバケツリレーの要領で土砂を効率的に流す。
- 作業性向上のため、ベニヤ板などを使用して引く。
注意事項:
堆積場所の選定には慎重さが必要。要救助者や救助活動に支障をきたさないように十分な検討が必要。
【土砂搬送要領を用いた要救助者救出のイメージ】
重機(ドラグショベル)活用要領
1. 配置人員
指揮監督員(小隊長):
- 重機特性に熟知し、車両系建設機械の有資格者が望ましい。
- 活動全体の状況把握と連携を確保し、安全な活動方針を徹底。
操縦員(オペレーター):
- 労働安全衛生規則の資格を有する者が望ましい。
- 取り扱い説明書に基づき、安全に運行する。
誘導員(マーシャル):
- 重機特性に熟知し、車両系建設機械の有資格者が望ましい。
- 安全な位置から誘導し、移動時は指揮監督員・安全監視員と連携。
安全監視員(安全管理者):
- 重機特性に熟知し、車両系建設機械の有資格者が望ましい。
- 安全管理と二次災害の監視を行う。
2. 合図
- 誘導員の合図および誘導により重機の運行を行う。
- 事前に合図を確認し、共通の認識で活動を進める。
3. 他の部隊等との連携
連携作業範囲の共有:
- 他の部隊と連携時は、危険や手順の共有を事前に行い、安全かつ円滑な作業を心がける。
借用重機の使用:
- 消防保有以外の重機を借用する場合は、その特性を理解し安全運行に努める。
重機の依頼:
- 他の部隊の重機を利用する場合は、事前に作業内容や安全管理を確認する。
4. 安全管理
- 作業半径内への進入を禁止し、監督員・安全監視員・誘導員は作業半径外での安全な位置で活動。
- 安全基準を遵守し、操縦員との連携において死角に注意。
5. その他
- 重機の事故事例を参考にし、受傷事故の防止に努める。
これらの要領に従うことで、重機の安全な活用と救出活動の効率化を図ることができます。
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