梯子を使用した窓からの救助

セーフティ&サバイバル

被害者の救出方法

2階居室での被害者発見

火災の際、2階の部屋で被害者を発見することは珍しくありません。こうした場面では迅速な判断と対応が求められます。被害者が見つかった場合、まずはその場の安全を確認し、即座に救出を開始する準備をします。周囲の状況や煙の濃さ、火の広がり具合などを冷静に観察することが重要です。

被害者を引っ張って戻ることの是非

被害者を発見した場合、その場での救助が難しい場合は、引っ張って安全な場所に移動させることも考慮します。しかし、無理に移動させることで被害者にさらに危険を及ぼす可能性もあります。例えば、煙や火がある場合、不適切な動かし方で状態が悪化する恐れがあります。そのため、適切な搬送方法を学び、状況に応じた判断を下すことが重要です。

窓から救出する方が良いか

場合によっては、窓からの救出が最も安全で迅速な方法となることがあります。特に、ドアからの脱出が困難な場合や、火の勢いが強い場合には、窓を利用することが推奨されます。窓からの救出では、はしごやレスキューツールを使用して被害者を安全に降ろすことができます。しかし、窓からの救出には技術と経験が必要であり、適切な訓練が求められます。

梯子を使用した救出手順

被害者の足を窓に向ける

被害者を窓に向かわせる際は、足を持ち引きずりながら窓際に運びます。このとき、摩擦を減らすために窓際に足を向け、膝を90度に曲げ、足底を床に設置することで、スムーズに移動させることができます。

建物に対してのはしご設置

建物に対して適切にはしごを設置することで、救助者と被害者の安全を確保します。はしごは安定した場所に設置し、滑り止めを確認することが重要です。
本来の角度は75度であるが、ゆるやかな角度の方が救出しやすい。

被害者を持ち上げ、外に送り出す方法

被害者を持ち上げる際は、両手でしっかりと支え、外に送り出します。はしごにいる隊員は腕を手前に引っ張り、被害者の体を隊員の左右どちらかの外に出します。

はしご隊員の被害者の確保

被害者の上半身が出れば、屋内の隊員は足を片方ずつ外に出し、下半身を完全に外に出します。このとき、はしご救助隊員は足の間に腕を入れ、はしごの梁を握り被害者の体を確保します。

降下

隊員ははしごを降りる際に被害者の体を支えながらゆっくりとはしごを降下します。
隊員が被害者の体を押し付けることではしごとの摩擦を生み、降下スピードをコントロールします。

梯子2梯救助法

火災や災害時において、迅速かつ安全な救助活動が求められます。特に、高層建物や複雑な構造の建物では、単一の梯子では対応が難しい場合があります。そこで、2梯架梯法(2つの梯子を並べて使用する方法)が非常に有効です。この方法のメリットについて詳しく説明します。

1. 安全性の向上

2梯架梯法を使用することで、救助者と被害者の安全性が大幅に向上します。2本の梯子を並べて設置することで、安定性が増し、転倒や滑落のリスクが減少します。特に、風が強い日や不安定な地形での救助活動において、この方法は有効です。

2. 救助速度の向上

2つの梯子を使用することで、救助活動の効率が向上します。1本の梯子では順番に被害者を降ろさなければなりませんが、2本の梯子を使用すれば、同時に複数の被害者を救出することが可能です。これにより、救助時間が短縮され、被害者の安全を早急に確保できます。

3. 避難経路の確保

2梯架梯法を用いることで、避難経路が広がり、被害者が安全に避難できるスペースが増えます。例えば、1本の梯子では狭くて不安定な場合でも、2本の梯子を並べることで広く安定した避難経路を確保できます。これにより、被害者が安心して避難できる環境が整います。

4. 救助者の負担軽減

2梯架梯法は、救助者にとっても大きなメリットがあります。1本の梯子では救助者が被害者を支えながら降ろさなければならず、大きな負担がかかります。しかし、2本の梯子を使用することで、救助者はより安定した姿勢で作業できるため、体力の消耗が軽減されます。これにより、長時間にわたる救助活動でも救助者が効率よく動けるようになります。

5. 多様な状況への対応力

2梯架梯法は、多様な状況に対応できる柔軟性があります。例えば、建物の形状や高さに応じて梯子の配置を調整することが可能です。また、救助対象者の数や状態に応じて、最適な配置を選ぶことで、最も効率的かつ安全な救助活動を行うことができます。

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