メンタルヘルスリスク
警察官や軍人、消防士は仕事の性質上、不安、うつ病、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの発生率が大幅に高いことがわかっています。米国の医療財団は、これらの職種が職務上の死亡よりも自殺で死亡する可能性が高いことを明らかにしています。メンタルヘルスのリスクに関する統計のいくつかを次に記載します。
- うつ病と不安 「警察官と消防士の3人に1人は、キャリアのある時点で、うつ病などの行動上の健康問題に苦しんでいます。」
- 薬物乱用障害 「現役消防士の85%が飲酒習慣があります。」
- PTSD 2016年の報告書で、国際消防士協会(IAFF)は、「一般人口の3.5%がPTSDの症状を示したのに対し、消防士と救急隊員の20%はPTSDであると推定しています」。
- 睡眠障害と燃え尽き症候群 「米国の消防士のほぼ半数が燃え尽き症候群とそれに関連する健康上の問題及び睡眠障害を経験しています。」
次に、メンタルヘルスの問題に対処しない場合、職場の欠席数の増加、やる気の低下、ミスの増加、離職率の増加、およびその他の悪影響をおよぼす可能性があります。
これらの調査結果は、もはやタブーと見なされるべきではない重要な問題として職場で認識される必要があり、彼らを予防、教育、支援で対処しなければいけません。
不安とは何か?
不安とは、心配に思ったり、 恐怖を感じたりすることで、 また恐怖とも 期待 ともつかない、何か漠然として気味の悪い心的状態や、よくないことが起こるのではないかという感覚( 予期不安 )です。不安障害を持つ人々は、日常の状況について、強烈で過度で持続的な心配や恐れを持っています。
補足事項
不安を持つことは日常生活を送るうえで必要な部分です。ただし、不安が継続しすぎると有害です。それは心身を衰弱させ、日常生活に支障をきたす可能性があります。強度の不安が続くと、一般的な健康状態の悪化だけでなく、感染症、心臓病、うつ病などの身体的および心理的な病気を引き起こす可能性があります。それは、過食やアルコールや薬物の乱用などの自己瞑想や現実逃避を助長させ、不健康な行動につながる可能性があります。
症状は何か?
- 腹痛
- 下痢または頻繁な排尿
- 目まい
- 口渇または嚥下困難
- 頭痛
- 筋肉の緊張
- 急速な呼吸
- 急速または不規則な心拍数
- 発汗
- けいれんまたは震え
- 疲労
- あなたの気性の喪失を含む過敏性
- 性的問題
- 悪夢を含む睡眠障害
即時治療を必要とする重篤な症状
- 息切れ、めまい、発汗を伴う胸痛
- 自殺思考
- 異常な過呼吸と頻脈
- 不安やその他の症状のために、自宅や職場で適切に作業できない
- 不安の原因がわからない
- 突然のパニック発作
- 制御不能な恐怖
- 不安は、トラウマ的な出来事の記憶によって引き起こされる(PTSDを参照)
- 数週間セルフケアを試したか、不安が消えないと感じている
一般的な原因
- ストレス
- 環境や日常生活の変化
- 人間関係の問題
- 薬物乱用、飲酒
- 遺伝的要素
※ 遺伝学が不安症を発症するリスクに関与しているという証拠があります。 家族と双子の研究では、不安障害の約30%が家族で発生していることが示されました。
不安障害(不安神経症)の生物学的な原因
不安障害では、セロトニンやノルアドレナリン、GABAといった神経伝達物質の異常が認められます。脳の何らかの機能異常があり、扁桃体が刺激されることが原因です。
パニック障害とは
パニック障害は不安障害のひとつで、「パニック発作」「予期不安」「広場恐怖」の3つの症状があります。
その中でも特徴的な症状がパニック発作です。パニック発作は原因不明の激しい不安を突然感じ、動悸やめまい、呼吸困難などが現れます。
またパニック発作などを再度引き起こしてしまわないかという恐怖心や発作の予兆を感じて不安になったりすることもあります。
パニック障害の生物学的な原因
他の不安障害と同じく、セロトニンやノルアドレナリン、GABAといった神経伝達物質の異常が認められます。扁桃体・海馬が刺激され興奮することが原因です。
繰り返しますが不安障害やパニック障害は、脳の異常が起こって発生する「脳の病気」です。
これを誤解しないでください。「私のこころが弱いから」「性格だから仕方ない」なるのではなく、誰にでも生じる「病気」なのです。そして、病気である以上、適切な治療を行えばしっかりと治すことができます。
不安障害の第一選択薬-抗うつ剤
不安障害の治療の中心は、SSRIを中心とした抗うつ剤になります。
不安障害の薬物療法の中心になるのが「抗うつ剤」です。抗うつ剤ときくと、「うつの薬じゃないの?」と思われるかもしれませんが、不安の病気にもよく使われています。
SSRIが合わない場合は、その他の抗うつ剤を使うこともあります。
不安障害での補助薬―抗不安薬
抗不安薬は即効性が期待でき、不安や緊張を和らげてくれます。耐性と依存に気をつける必要がありますが、メリハリをつけて使っていけば非常に有効です。
抗不安薬はGABAの働きを強めることで、脳の活動を抑制します。このようにして、不安や緊張を和らげる作用があります。
抗不安薬の最大のメリットは、即効性があることです。このため、飲み始めてすぐに効果が実感でき、頓服としても有効なお薬なのです。それに対して抗うつ剤では、効果が発揮されるまでに時間がかかってしまいます。
不安障害と筋トレの関係
不安障害と筋トレの関係については、いくつかの研究や専門家の意見により、筋トレが不安障害の症状を軽減する可能性があると示されています。以下にその関係を詳しく説明します。
1. ストレス軽減効果
筋トレは、体に適度なストレスを与えることで、コルチゾールと呼ばれるストレスホルモンのレベルを調整します。定期的な運動は、心身のストレスに対する耐性を高め、ストレスが原因となる不安を軽減することができます。
2. エンドルフィンの分泌
筋トレを行うと、脳内でエンドルフィンという「幸福ホルモン」が分泌されます。エンドルフィンは気分を向上させる働きがあり、不安感を和らげる効果が期待できます。
不安障害に対する筋トレの効果を高めるためには、大腿筋や臀部筋などの大きな筋肉を鍛えることが特に有効です。これらの筋肉を鍛えると、代謝が上がり、エンドルフィンが多く分泌されることで、ストレスや不安を和らげる効果が期待できます。
3. 自己効力感の向上
筋トレは自己効力感(自分が何かを達成できるという感覚)を高めます。これは特に不安障害に悩む人々にとって重要で、自分の体の変化や運動の成果を実感することで、自信を持ちやすくなり、不安感が減少することがあります。
4. 睡眠の質の改善
筋トレは、睡眠の質を向上させる効果もあります。十分な睡眠は不安感を減らすために不可欠であり、定期的な筋トレによって睡眠が改善されることで、日中の不安感が軽減される可能性があります。
5. リラクゼーションと集中力の向上
筋トレは、瞑想や深呼吸と同様にリラクゼーションを促進します。また、筋トレに集中することで、日常のストレスや不安から一時的に解放されることができるため、精神的な安定感が得られます。
結論
不安障害に対する筋トレの効果は、個人差があるものの、一般的にはポジティブな影響が多いとされています。ただし、無理をせず、適度な運動を続けることが重要です。不安障害を抱えている場合は、医師や専門家と相談しながら、自分に合った運動プランを立てることをお勧めします。
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