車両安定化の基本

交通救助

事故車両の一番の危険要素は、動くことです。

予期せずに車両が動くと、乗員に負荷がかかることや、周りにいる隊員に危害が及びます。

車両の安定化とは、救助隊が傷病者や車にアクセスする際、ブロックやロープ等の資器材を使用し、車両による不要な動きを停止することです。

タイヤの駆動停止

すべての車には、地面の上を転がるためにタイヤが装着されています。
事故車両は、ブレーキがかかっていないことが多く、まずはタイヤの動きを止めなければいけません。

エンジン駆動していないタイヤや緩やかな傾斜でのタイヤの駆動は、車輪止めでほとんどの車両が停止します。
ただ、重量のある大型車両や、急勾配の場合、車輪止めだけでは不十分です。

この場合、パーキングブレーキは必須です。
もし、車内へのアクセスが不可能でパーキングブレーキできない場合は、タイヤの空気を抜くことも考えてください。

上下運動

車のサスペンションは、車体を上下させることができます。
車体が上下に動き、傷病者をさらに傷つける可能性があります。

上下運動をなくすには、車のサスペンション・システムを最小にすることです。

車のサスペンションを手動で持ち上げて、クリビングを挿入することができます。

この方法は非常に効果的で、サスペンション・システムを最小にできます。
この方法は、フロントまたはリアホイールウェルの近くで、背中を車のボディにつけて持ち上げます。注意することは、背中ではなく足で持ち上げることと、サスペンションを持ち上げるだけで、車両そのものを持ち上げないことです。

タイヤの空気圧

クリビングを挿入した後、車のタイヤの空気を抜くことも有効です。
車のタイヤの空気を抜くことの利点は、車両がクリビングの上にしっかりと乗せることができ、強固な土台を作ることができるからです。
タイヤの空気を抜くと、車両はサスペンションシステムでクリビングの上に落ち着きます。サスペンションの働きはほとんどありません。
しかし、車両の上に物や他の車両がある場合、タイヤの空気を抜くと、車体の安定性が逆に損なわれるという可能性もあります。

タイヤの空気を抜くかどうかの判断は、あくまで指揮者の判断になります。

タイヤはバルブを切断し、空気を抜きます。

角形の作成

最近の車両は、丸みのある、ワンボックスやミニバンが多く、横転しやすく、不安定である車両が多いです。

横転や転覆、物体に乗っかる場合や寄りかかっている場合、タイヤの停止のみでは、安定化は不十分です。

基本的なことですが、底辺が狭い物体は、底辺が広い物体よりも安定性が低くなります。
底辺が広くなることで、重心の内側領域が広がります。

事故車両の底辺を長くするために、クリブやステップチョークを挿入することが重要です。

車両の横転は特に不安定なため、パワーショア等のレスキューツールを使用します。

三角形作成時は、頂点が高く、底辺が長ければ、安定器具としての最大の効果を発揮します。

毎回車両の安定化を実行する

安定化という、この単純な活動はそれほど重要ではないように思われます。ただ、低速であっても2,000㎏の車両が与える物理的な損傷は、壊滅的なものになる可能性があります。

どのような軽度な事故であっても、安定化を実施してください。

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