地震

救助

東日本大震災から10年という節目の年だった2021年は、全国各地で地震が相次ぎました。

12月3日には富士五湖が震源のM4.9の地震や、山梨県で小規模な地震が多発。また、同じ12月3日に紀伊水道を震源とするM5.4の地震も発生しました。山梨の地震は、首都直下型地震、和歌山の地震はプレート型の南海トラフ地震の前触れではないかといわれています。

 実際、国土交通省も、これら2つの巨大地震が30年以内に起きる確率を70%(首都直下型地震)(南海トラフ地震)としている。しかし、高い確率で発災するとされるM7以上の大地震は、この2つに限りません。

昨年末に政府が被害想定を出した千島海溝地震(M9)は、発生確率は60%で、最悪の場合、死者は約20万人にも達します。他にも、茨城県沖プレート地震(M7)、三陸沖北部プレート地震(M7)など、日本は“地震の巣”となってます。

想定される大規模地震

世界のマグニチュード6.0以上の地震の約2割が起こっているとされる地震多発国の日本には、北海道から九州まで、わかっているだけでも約2,000もの活断層があります。このうち、近い将来に、大きな地震を起こす可能性が高い活断層が複数指摘されています。
しかし、平成28年4月に発生した熊本地震を引き起こした布田川断層帯のM7.0級の地震発生確率は30年以内に1%未満でした。
地下に隠れていて、まだ見つかっていない活断層もあるとされており、大規模な地震が発生する可能性が高いといわれている地域だけでなく、どこで、いつ大きな地震が起きてもおかしくありません。

死者・行方不明者数住宅全壊戸数
南海トラフ巨大地震約32.3万人※1約238.6万棟※2
(東日本大震災の約20倍)
首都直下地震約2.3万人※2約61万棟※2
(東日本大震災の約5倍)
(参考)
東日本大震災
22,118人※312万1,768棟※3

※南海トラフ巨大地震は平成25年3月時点のもの、首都直下地震は平成25年12月時点のもの。

大地震が起きたとき、東京では同時多発する火災、多数の救助事案、多数のケガ人が発生することが予想されます。

また、過去の災害の統計から、倒壊家屋等からの救助の場合、災害発生から72時間が経過すると生存率が急激に低下することがわかっています。

多くの人の命を助けるためには、早期に救助・救出活動をすることが必要です。

【救出人員及び生存救出人員の日別推移】

17日18日19日20日21日
発災からの日数当日1日後2日後3日後4日後
救出人員604452408238121
生存救出人員48612989147
生存率80.5%28.5%21.8%5.9%5.8%
(出典)阪神・淡路大震災活動記録誌編集委員会(1996)『阪神・淡路大震災活動記録誌』

※生存救出人員:救出された方のうち、生存していた方の人数

地震 に対する画像結果
地震 に対する画像結果

都市型検索救助(USAR)技術

都市型検索救助とは、大地震などで倒壊した耐火建造物の瓦礫の下にいる生存者の位置の特定から救出までの一連の活動を指します。Urban Search And Rescueの略で、USARとも呼ばれています。

都市型検索救助における技術も、消防救助応用操法にあたります。日本の都市型検索救助は最初に国際消防救助隊(IRT)の活動技術として採用されました。

都市型検索救助技術は国際的にも標準的な技術として認識されており、特に震災国である日本の消防組織にとっては欠かせない救助技術となっています。

主に6つの技術内容から救助技術

日本の消防組織が都市型検索救助技術の手本としているのは、アメリカのFEMA(緊急事態管理庁)が組織しているUS&R(Urban Search and Rescue)チームの訓練プログラムです。ショアリング、ブリーチング、クリビング、リフティング、ムービング、CSRなどの技術内容から成っています。

平成21年に国際消防救助隊の登録隊員に求める事項として、総務省消防庁が「国際的なルールに従い、都市型検索救助技術を用いた訓練に努める必要である」と通知しました。そして南海トラフ地震や首都直下型地震の近年発生が予測されている事から、国際消防救助隊員だけでなく、全救助隊員が身に着けておくべき新しい知識と技術として位置づけられ、現在普及が進められています。

都市型検索救助(USAR) に対する画像結果

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